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2018年10月26日08:16

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読書紹介1774●「湖底の白 9巻」

●「湖底の白 9巻」 宮城谷昌光著 講談社 18年版 1600円
 中国の春秋時代(孔子が生きていた時代)の呉越の戦いを描いた本。今回が最終巻で、越が呉を滅ぼすまでの物語。主人公は范レイで、越の大臣(副首相)である。
 越は1度は呉に敗れ、越王が捕虜となって呉の王宮に閉じ込められていたが、范レイ等の奮闘で解放され越に帰国を許された。それから10年、復讐を誓った越王が質素倹約を王室が率先し、富国と人口増に邁進する。
 一方の呉は、覇者になろうととして他国を脅し(軍事と外交で)侵略軍を出兵させていた。その隙を狙って、隣国の越が呉に攻めよせ、留守部隊の長(呉国の太子)を攻め殺してしまう。駈け戻った呉王は、自分の長子の死を知って政治に興味を失ってしまい、やがて自滅していくのだ。
 勝利した越、その絶頂の時に范レイは自分の一族を斉国に移住させてしまう。越王とは、苦労は共にできても喜びを共にはできない人物と、見切りをつけたのだ。
 斉国で商人となった范レイ(名を変えていた)は、その優れた才覚でたちまち冨者となった。范レイの正体に気づいた斉国首脳部は、范レイを招き国の中枢に据えたが、范レイはそれを嫌い、再び他国へと移住。そこでも、たちまち冨者になったというお話。

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