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2018年09月18日09:41

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読書紹介1762●「希望荘ーー杉村三郎シリーズ4」

●「希望荘ーー杉村三郎シリーズ4」 宮部みゆき著 小学館 16年版 1750円
 菜穂子と離婚して家族も仕事も失った三郎は、東京北区に私立探偵事務所を開業する。シリーズ4では、離婚後に故郷の山梨に帰って、調査会社<オフィス蛎殻(かきがら)>の所長・蛎殻昴に出会い、調査を手助ったこと。東京に戻って私立探偵事務所を開き(収入は主に、オフィス蛎殻での調査のアルバイト)、初めての依頼が舞い込んできたことなど、4つの事件が描かれる。
 初めての依頼は、三郎が古い長屋の1階を改装した事務所に引越しする前に、同じ長屋の2階に住んでいた独居老女を探すことであった。この老女は年金だけの貧しいくらしで、その年金さえ娘に取られていたので逃げだして長屋に来た人だった。その老女が、突然居なくなったのだ。それを、近所の人が上野公園で見かけた時は、裕福ななりをしていたと云うのだ。依頼人は、ご近所さんであった。
 この第1話では、三郎と大家さん、長屋を紹介した不動産会社の社長、ご近所の薬屋さんなど、下町の人情溢れる人々との触れ合いのなかで、三郎が信頼され馴染んでいく様子が描かれる。
 第2話は、表題の「希望荘」。35年前、この希望荘には男たちだけが住んでいた。ある日、この部屋が絶望の部屋になった経緯と、昨年発生した女性殺害事件が結びついていった時、現在の犯人の姿が浮かび上がってくるのだ。
 ということで、律儀な探偵・杉村三郎の「人を助けるため」という、彼の探偵業が描かれていくのでありました。

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