[難易度:2、時間:30分]
西部劇が隆盛を誇った頃、ハリウッドだけでなくイタリアの映画界で撮られたウェスタン物も多く日本に輸入されました。アメリカ産の西部劇と区別する用語として当初それらは「スパゲティ・ウェスタン」と呼ばれたらしいのですが……
「なんか、弱っちい名前じゃね」
という意見が出たらしく、だったら「マカロニ・ウェスタン」にしようと提唱したのはかの淀川長治さんだったとか。その一声でマカロニ・ウェスタンの名前は世に浸透し、スパゲティ・ウェスタンという言葉は忘れ去られていきました。なんだか、かわいそうなスパゲティ。
顧みて21世紀、日本の食卓の現実ではスパゲティ料理は一大ジャンルとしてしばしば食されます。けれどマカロニを食べることってあまりないのですよね。スパゲティを常備しているお家は多いでしょうが、マカロニは常備されていない家庭の方が多い気がします。
とはいえ、サラダやグラタンに入れるパスタにスパゲティはイマイチかも。腹持ちが良すぎてちょっと重たい感じ。ここはやはり淀長さんに言わせると強い印象があるらしいマカロニ君の出番でしょう。
[材料](2人分)
・マカロニ:ひとつかみ
・むきえび:15、6尾
・オリーブオイル:少々
・塩、ブラックペッパー:少々
[ホワイトソースパート]
・玉ねぎ:1/4個
・薄力粉:35g(大匙4強)
・バター:40g(大匙3)
・牛乳:300g
・クローブ:1本
・シナモン:少々
・ナツメグ:少々
・ホワイトペッパー:少々
・グラニュー糖:ひとつまみ
[海老のストックパート]
・海老の殻:ひとつかみ
・ニンニクみじん切り:ひとかけ分
・バター:12g(大匙1)
・水:300g
・チキンブイヨン(キューブ):2粒(600cc分)
[作り方]
1.[海老のストックパート]の海老の殻、ニンニクみじん切り、バターを鍋に入れて中火にかけ木杓子で混ぜながら海老の殻が赤くなるまで炒めます。
2.1.に水を加えて蓋をせずに強火でひと煮立ちさせます。沸いたら火を止めてスープストックを加えて煮溶かします。蓋はしないまま放置します。
3.2.をやっている間に[ホワイトソースパート]の玉ねぎをみじん切りにし、鍋に薄力粉と合わせて弱火で3分ほど炒めます。これにバターを加えて粉っぽさがなくなるまで弱火で炒めます。
4.3.に牛乳を加えて中火にかけ泡立て器などで常に混ぜながらひと煮立ちさせます。これに[ホワイトソースパート]の残りを加えて蓋をし弱火で3分煮ます。クローブはこのタイミングで抜きます。
5.4.をやっている間にマカロニを規定量茹でます。むきえびとオリーブオイルをフライパンに入れ焼き色が付くまで炒めて塩、ブラックペッパーを振ります。
6.オーブンを230度に予熱します。4.の鍋に裏漉し器をかぶせて2.を流し込みます。これにマカロニとえびを加えてよく混ぜ、耐熱皿に移します。
7.耐熱皿を予熱したオーブンの下段に入れ15分焼けばできあがり。
[備考]
・海老の殻で挽いたストックの香りが半端ないです。ホワイトソースのみで作ったグラタンに慣れているとちょっとしたカルチャーショックかも。まさに海のグラタンって感じです。
・この料理の段取りポイントは工程3.と5.。前の工程で煮込みに入ると手を放すことができますので並行して次の工程を始めれば段取りが良いです。更に工程5.ではマカロニの茹でと海老を炒める作業を並行で行いましょう。
・工程4.の最後でクローブを抜くのを忘れずに。クローブは強い香りを放つ香料ですが、直接口に入れると正露丸のような香りが広がりますので残っているとちょっとした悲劇が起こります。
・具材は海老だけにとどまらず魚や貝、シーフード全般に合いますよ。
ということで、よければ一度お試しください。
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