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2018年03月07日12:30

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読書紹介1710・「藩医 宮坂涼庵」

●「藩医 宮坂涼庵」 和田はつ子著 新日本出版社 05年版 1800円
 江戸時代の医者モノは、ほとんど仁術の人を扱っている。本書では、小藩に1人しかいない医師が、領民のために力を尽くす。不作と飢餓にあえぐ領民に、救荒植物の選別と食べ方を教えて、餓死から救おうとしている姿が特徴的であった。涼庵の妻子も、不作と飢餓時の栄養失調がもとで亡くなっていたのだ。
 その他、おなじみの藩内の権力争いの陰謀と、その犠牲になる人々のこと。前家老は、飢餓時に餓死者を出した責任をとって盟友であった現家老と交代した。ところが、現家老は、私利私欲に走り毒を垂れ流す。藩政を自分の思いのままに操るのだが、最後に勧善懲悪をにおわせて終わっており、ホッと一息つける本。
 それにしても、救荒植物の食べ方は難しい。それは毒を含むことがあり、それを取り除く方法が大変なこと。少量なら毒にはならないが、過ぎると毒になるものまでさまざまあるからだ。
 人間関係も似たところがある。自分が毒を撒き散らしていないか、気をつけねばと思ったのでした。
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