[難易度:2、時間:15分]
9年前、祖父が亡くなりました。明治45年生まれ。享年95歳。十分長生きした部類でしょうね。
博打好きで僕も小さかった頃に何度か競艇場に連れられて行ったことをうっすらと覚えています。そんな祖父がギャンブル以外で好きだったものの一つが「おみいさん」です。
おみいさんとは徳島の郷土料理で味噌粥、味噌おじやの類です。これが食卓に上る日はなんだか幸せそうな顔をしてましたね。子供の僕にしてみれば「また、これかよ」てなもんでしたが久々に作って食してみるとなんだか感傷的な気分になりました。
小豆島に生まれ、結婚して徳島港そばに住み(今のフェリーの船着き場辺りです)、塩田を生業にしていた祖父は毎日力仕事で大汗をかいていたことでしょう。体から塩気が抜けて塩分が必要だった祖父にとって、おみいさんはうってつけの塩分補給源だったのかもしれません。
[材料](1人分)
・ご飯:1膳分
・大根:1cmくらいの輪切り
・(あれば)大根葉:適宜
・いりこ出汁:150cc
・味噌:18g
・山椒:少々
[作り方]
1.いりこ(十尾くらい)は頭とワタを取って小鍋に入れ1分ほど弱めの中火で乾煎りします。これに水200cc(1カップ)を加えて蓋をせずに強火で温めます。沸騰しかかったら弱火にし5分煮出します。
2.1.をやっている間に大根をかつら剥きにしていちょう切りにします。1.からいりこを抜いて大根を加え蓋をして5分間煮ます。
3.2.にご飯と味噌を加えます。あれば大根葉も加えます。弱めの中火で3分煮て良くかき混ぜ仕上げに山椒を振ってさっと混ぜればできあがり。
[備考]
・おみいさんは徳島名物の味噌粥で「みい」とは味噌の意味の方言です。とても優しい味で、風邪気味の時などに特にお薦めかも。
・本格的なものは米から炊くのですがうちの実家では炊いたご飯を使うスタイル。専ら冷やご飯のアレンジ料理として重宝されていました。
・出汁はいりこがお薦め。濃いめに引いた出汁と味噌の相性がバッチリなのです。
・具は大根が一般的ですが、他に里芋、人参などの根菜がお薦め。ありあわせの葉菜を使うのもありです。鶏肉や白身魚を使うと贅沢なおじやになりますよ。
ということで、よければ一度お試しください。
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