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2016年03月30日09:11

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読書紹介1518・「狐憑きの女」

●「狐憑きの女」 森詠著 二見書房 11年版 648円
 長屋の殿様 剣客相談人2。文史郎が那須川藩を出奔して半年、剣客相談人の仕事も、なかなかなく困っていた。そんな中、大大名の殿様に見そめられた女が狐憑きとなり、実家の商家に戻った。相談事とは、その狐を取り払ってほしいと云うこと。
 こうして、狐の後には「猫を探して」「犬を護って」と動物絡みの相談事が相次いだ。そんな中、文史郎に刺客が襲いかかる。そこには、那須川藩の跡取り養子に入った若殿(14歳)が急死していた背景があった。文史郎も、婿養子として5千両の持参金を持って松下家からやって来ていたのだ。
 そこに、那須川藩の血筋である萩の方(文史郎の正妻)に新たに婿を取ろうという話が持ち上がっていた。それには、文史郎が邪魔であった。気の病で若隠居させたといえ、夫(文史郎)がいるのに婿は取れない。かといって離縁すれば、萩の方はただの姫となり文史郎が藩主に返り咲くことになる。ここに、文史郎と文史郎の側室と子(由美と武之臣、如月と弥生)にも刺客が放たれていたのであった。
 ということで、かっての側室と我が子を護るべく那須川藩上屋敷に乗り込んだ文史郎は・・・。という物語。長屋住まいの殿様、というギャップの可笑しさと、庶民の人情にふれる楽しい物語でした。

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