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2016年03月27日12:35

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読書紹介1516・「パリわずらい江戸わずらい」

●「パリわずらい江戸わずらい」 浅田次郎著 小学館 14年版 1400円
 著者のエッセイ本である。本書は、主に日本ペンクラブ会長になって世界を飛び回っている間に書かれている。本書を読むと、著者が責任感が強く「私がやらなければ」と思ってしまい、本来の文筆活動以外の仕事を請け負って四苦八苦している様子が伺える。
 本書を読んでいて「ヘェー!」と思ったことは、日本の交番についてだ。これは、江戸時代に番所があった所にほぼ現在の交番が建てられているという事実が、調査してわかった、ということである。
 襟を正されたのは、国際ペンクラブの憲章の内容と日本ペンクラブが戦前の1935年に設立され、1941年には国際ペンクラブの一員として「連絡することすら不可能な状態」にさせられた事実が記されたところだ。
 なによりも国際ペンクラブが、第1次世界大戦に対する反省から「P」(詩人と劇作家)、「E」(編集者と随筆家・評論家)、「N」(小説家)たちが「PENは剣よりも強し」と標榜して作られたことも、本書で初めて知った。
 「誰かがやらなければならない」という使命感を、浅田氏も抱いていたことがわかった本でありました。

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