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2016年03月07日09:57

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読書紹介1507・「裏切りの日日」

●「裏切りの日日」 逢坂剛著 集英社文庫 86年版 533円
 本書は「百舌シリーズの0」で、百舌が登場する前の小説である。本書には、百舌シリーズの登場人物・警察庁警務局特別監察官(警察の警察)津城俊輔が登場している。時代は、1981年(本書の初版が出た年)頃。
 本書のテーマは、悪徳刑事の悪辣な生き様である。警視庁公安特務一課の浅見は、係長の桂田と共に右翼の大物の身辺警護をしていた。左翼の「東方の赤き獅子」を名乗る者から殺人予告の手紙が来たからである。しかしその警護は、1週間でとりやめとなった。手紙は、単なる悪戯とみなされたからだ。
 そんな中、2人が内偵していたビルで人質事件が起きた。当日そのビルにいた2人は、所轄の警察署の刑事と共に対策にあたった。身代金を奪った犯人は、厳重な包囲の中で、ビルの9階からエレベーターに乗り込んだが、1階に着いた時には忽然と消えていたのだった。
 同時刻、近くのマンションで右翼の大物がライフルで射殺された。やがて、この2つの事件が1つに繋がっていることが・・・。という物語。公安刑事の陰々滅々な人物像が、見事に描かれているのでありました。

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