●「さよなら、私の嘘」 ヒキタクニオ著 光文社 10年版 1800円
ＰＲ関連会社・十和�蝓塀�性が８割の女性優位会社）の総合職である主人公・美奈は34歳。ある日、社長の高辺に抗弁した制裁として、新会社の社長として十和を追い出されてしまう。十和は、リスク分散のため部門毎に子会社化する方針を固めていたのだ。
美奈の新会社は、会長の津田が十和を設立当初に興した「スミレ大サーカス」を運営する会社だった。こうして、スミレ大サーカスに赴いた美奈だっいたが、サーカス団員は誰も美奈を受け入れてくれなかった。しかし何故か、美奈の「身長147�僂蚤僚�39�圈廚�団員の受けをとったのだ。「先天的なものは迫力がある」と、その小ささが羨ましがられた。
やがて美奈は、サーカス団と十和の見る所がまったく逆なことに気づく。十和は、人間の弱点を探してそれを商売にする。サーカス団は、「お客さんを楽しませる、感動を与える」ために芸を磨く、という生き方だったのである。これまで十和にいて、「嘘」ばかりが達者になっていた美奈には、サーカス団の生き方は衝撃だった。
やがて、美奈の努力で川崎兄弟（団長の息子で、兄21歳・弟14歳）が、その美貌と芸でテレビでも人気者となり、「スミレ大サーカス」に客が殺到するようになる。ところが、それを面白く思わない者がいた。社長の高辺である。美奈の能力を認めれば、これまでの自分の無能を晒すことになるからだ。そこで、サーカス団を売却することに・・・。
ということで、美奈とサーカス団員たちが十和との攻防戦（ストライキ等）が・・・。という物語。とても楽しい小説でした。
ログインしてコメントを確認・投稿する