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2015年02月12日16:06

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読書紹介1374・「石田三成(ソクチョンサムスン)」 

●「石田三成(ソクチョンサムスン)」 荒山徹著 講談社 10年版 1900円
 荒山の伝奇小説。読んでいて、「あれ、読んだことがある」と思った本。あまりの荒唐無稽ぶりに付いていけずに、過去に途中で投げだしていた本。その時の気分が、この手の話を受け付けなかったのだ。
 それはさておき、今回は面白く読むことができた。中身は、「壬申の乱」(672年)と「関ヶ原の戦い」(1600年)お交互に絡ませながら語られていく。その根源に、朝鮮の「三国時代」(4世紀〜7世紀)の新羅・高句麗・百済の戦いが絡んでいるのだ。
 百済が新羅と唐の挟み撃ちにあって滅んだ時(660年)、倭国は百済に援軍を送ったが白村江の戦いで敗れた。滅んだ百済から、大量の亡命百済人が倭国にやってきた。それを天智天皇が優遇し、宮廷の高級官僚に取り立てる。このままでは、我が国が百済に乗っ取られる勢いであった。
 それに反発した天武天皇が、柳生一族を使って密かに反百済・親新羅の勢力を組織し倭国の独立を護ろうとする。結局、天武天皇が勝利するのだが、亡命百済人は地下に潜り百済党を結成して900年以上も「百済再興」に暗躍する。その百済党の党首が石田三成なのである。三成は、自分が日本の実権を握り「第3次の朝鮮の役」を起こし朝鮮の地に百済再興を果たそうというのだ。それで起こったのが、「関ヶ原の戦い」なのである。
 荒唐無稽の話というのは、日本の頭八咫烏(ヤタガラス)、百済の指南亀、新羅の地でのみ暴れる八岐大蛇(ヤマタノオロチ)などの霊獣が大暴れすること。怪獣映画を観るようで、今回は楽しく読むことができました。

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