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2015年02月10日17:11

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読書紹介1373・「迎え猫ーー古道具屋 皆塵堂4」

●「迎え猫ーー古道具屋 皆塵堂4」 輪渡颯介著 講談社 14年版 1500円
 4巻の主人公は、巳之助である。浅草の裏通りの長屋で1人住まいの巳之助は、棒振りの魚屋である。朝早く魚河岸で仕入れ、昼までに全てを売って、後は好きな猫を訪ね歩いている。表通りには幼馴染の太一郎がいて、彼は大きな道具屋の跡取り息子である。
 太一郎は目利きで、曰(いわ)く品はひと目で見抜いてしまう。自分の店では曰く品は置かないが、曰く品ばかり買い付ける皆塵堂の伊平次に頼まれて預かることもある。その皆塵堂だが、働き者の益治郎のおかげで蔵に続く廊下が片付けられ、10年ぶりに蔵を開けることができた。驚いたことに、中は空っぽだったのである。
 今ではそこは、買い付けた曰く品(太一郎に見てもらって)の保管場所になっている。曰く品の中には、暫く寝かしておくと取り付いた霊が消えることがあるからだ。それ以外は、お寺に持って行って処分(焼いたり)するしかなかったが。
 ところで4巻は、巳之助が次々と子猫を拾ってきて皆塵堂に預かってもらう話である。最後には、8匹にもなってしまう。その猫にまつわる人情・怪談話しが5話収録されている。
 巳之助の願は、「猫好きな女房を貰って、猫と暮らす」ことであった。そのため、見かけた稲荷神社にはお賽銭を入れ願掛けして周っていた。家には滅多にいることがない巳之助は、長屋で猫を飼うのは無理だと思っていたのだ。そこに妙案が浮かんだ。長屋の全員に猫好きになってもらって、自分が留守の時は長屋の人に面倒をみてもらう、という案である。
 ということで、猫を拾ったり猫を預かってくれる人を探したり、長屋の人々を説得したりと奮闘する巳之助なのでありました。

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