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2024年02月26日11:58

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読書紹介2379●「ネバー・ゴー・バック 上・下」

●「ネバー・ゴー・バック 上・下」 リー・チャイルド著 講談社文庫 16年版 各920円
 ジャック・リーチャー・シリーズ8。本書は、前作「66時間」の続編である。それは、前作で電話で話したターナー(MP第110特別部隊現隊長。初代がリーチャー)の声に惚れたリーチャーがターナーに逢いに部隊を訪れたからだ。
 ところが、ターナーの部屋に入ったリーチャーは、そこで現隊長を名乗るモーガン中佐に会う。ターナー少佐は、ケイマン諸島の銀行に口座を開き大金を振込ませていたとして告発され、監禁中であった。モーガンはターナーの後任だという。
 そのモーガンがリーチャーに対して、予備役から現役復帰を命令する。そして軍人に戻ったリーチャーには、軍に対して起こされている訴訟の被告人になると告げた。1つは、18年前にリーチャーが逮捕したドックという民間人への傷害致死罪(ドックの宣誓書があった)。もう1つは、リーチャーが16年前に韓国に一時駐屯した際にアメリカ人女性と不貞行為をして女児をもうけているとのその女性からの訴えであった。
 2つとも、身に覚えがないことであった。しかも、訴えが取り上げられたのが昨日であるという。しかしリーチャーは、自分の冤罪には関心を示さずターナーにかけられた告発を問題にした。
 そこで、ターナーの登録弁護士であるテンプル大佐を訪れ、「告発を受けただけで監禁は不当である」と、監禁命令の停止させるよう要請する。ところが、停止命令の手続きを始めたテンプル弁護士が帰宅途中で襲われ、意識不明の重体となる。その犯人がリーチャーとされ、ワシントンDC警察の刑事がやってきたのだ。リーチャーは、軍の施設に拘留されることとなった。
 その頃、ターナーには後任の弁護士がつくことになり、その面接が軍の施設で行われた。その時期をうかがっていたリーチャーは、ターナーを連れ脱出するのだった。名探偵でもあるリーチャーは、ターナーに何があったか問い質す。「何もやっていない」「ケイマン諸島の銀行口座のことも知らない」と。しかし、最近ターナーが部下に命じたことの1つに、アフガニスタンに2名の部下の派遣があったことがわかる。その部下たちがどうしているか調べると、2人は現地で銃殺(軍の銃で)されていたのだ。
 問題はアフガニスタンにあった。誰かが、ターナーが「何か」を知ったのではないか? 最近ターナーが電話でやりとりしているリーチャーも、ターナーから何かを聞いているのではないか? との疑心暗鬼から、その誰か(軍の幹部)が2人を罠に嵌めたのだと、リーチャーは推理したのである。
 軍の幹部とは誰か? 人事を思い通りに動かすことができる人物。そして情報を即座に入手できる人物。なにしろ、リーチャーが軍施設の近くのモーテルに寄った日に、「第110部隊に近づくな」「お前は軍の恥だ、とっとと出ていけ」と下士官2名がやってきていたからだ。彼らは、その幹部の手足となって動いている部隊だ。彼らは、リーチャーが2つの訴訟に驚いて逃げ出すことを期待していた。ところが、ターナーを連れて脱出するなど想定外なことが起きてしまった。
 ということで、逃走中の2人は警察とFBIとMPと謎の部隊に追われることに。2人は追われながら、まずリーチャーの冤罪を明らかにすることから着手する。傷害致死を軍に訴えた弁護士に会うと、彼は弁護士資格を剥奪されて落ちぶれていた。その原因が、まさにその訴えにあったのだ。彼は、ドックの宣誓書を悪用して金儲けを目論んだのがばれていたのだ。更に、不貞行為を訴えた女性は、パスポートを持ったことがなく韓国になど行ったこともなかった。又、テンプル大佐への暴行はリーチャーではないことが、警察によって証明された。
 残るはターナーの冤罪だけとなった。それは、2人を追いかける謎の部隊(4人の下士官)を、一人一人リーチャーが軍門に下していき、彼らの正体を辿ることで、モーガン中佐との関係が。そして、モーガンから軍の幹部のつながりが明らかになっていく。アフガニスタンにあった問題とは、意外なものでありました。という物語。
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