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2020年03月16日09:45

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読書紹介1908●「世界の起源ーー人類を決定づけた地球の歴史」

●「世界の起源ーー人類を決定づけた地球の歴史」 ルイス・タートネル著 河出書房新社 19年版 2400円
 本書のテーマは、地球の地質である。なぜ、東アフリカの大地溝帯でヒト族が発生したのか。それは、地球のプレートの働きで大地溝帯の環境が複雑化(山脈ができ、盆地ができ、湖ができたり消えたり、乾燥したサバンナができ、渓谷ができ、山肌からは水が湧き)したことから、これまでのヒト族のように身体を環境に適応させるのでは間に合わなくなって、脳を環境に適応(これなら瞬時にできた)させることで、現生人類へと進化したのだ。
 ということで、その後のヒト族がこのプレートの作用で生まれた様々な鉱物を利用(最初に石器を)してきた歴史を、その鉱物がどんな地球の作用でできたか(地質時代を刻んだか)を本書は描いている。
 地球の公転軌道(10万年ごとに正円から楕円形に変動)と自転軸の傾き(4万1000年の周期で地軸の傾きが動く)が規則的に変動していること。そこで、氷期と間氷期(現在の温暖化した地球)が交互に繰り返されてきたこと。新生代の寒冷化(過去5500万年にわたって持続)の傾向は、地球にも、人類の進化にも重大な影響をもたらしてきたのだ。
 世界の文明の多くは、プレート同士がぶつかる収束境界で誕生しており、それだけ地震や火山の被害を受けやすいこと。最後はエネルギー問題で、石油や天然ガスがつくられた地質時代のことから、酸素と二酸化炭素のそれぞれの増減が地球に及ぼした影響を含めて描かれる。
 本書を通じて、地球の歴史と地質年代について興奮するほどの興味をそそられたのでありました。

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