[難易度:2、時間:1.5日〜]
松前漬けは北海道の名産品で、数の子がふんだんに獲れた時代、商品にならないバラの数の子を昆布、スルメ、人参と一緒に塩漬けにしたものでした。後に数の子が希少になり昆布、スルメのみの松前漬けが出たりするのですが、本家の材料は数の子が入っています。時代が下って塩漬けから醤油漬けが主流になったようです。
考案されたのは江戸末期頃と思われますが、その歴史には福島県が絡んでくるんですよね。一説では松前藩主であった松前氏が国替えで福島にやって来た時に郷里を偲んで松前漬けに似せて福島名物「イカ人参」を作ったと言われていますが、別の説では福島にやって来た松前氏が名物の「イカ人参」をいたく気に入って、やがて北海道に戻って松前漬けを作ったということになっています。
「イカ人参」が先か「松前漬け」が先か? 今でも北海道と福島でし烈な本家争いが続いているとかいないとか。
ま、外野にいる僕からすれば、どっちも美味しいんだからどっちが先でも良いじゃんと思っちゃいますが
とまれ、数の子のバラが安かったので松前漬けを作ってみました。
[材料](4人分)
・塩数の子(安いバラでOK):200g
・スルメ又は裂きイカ:一つかみ
・昆布:4×4cm四方
・人参:5mmのスライス5枚
[漬け汁パート]
・濃口醤油:45g(大匙2.5)
・味醂:45g(大匙2.5)
・酒:37g(大匙2.5)
・柚子果汁:10g(小匙2)
[作り方]
1.数の子は水300ccに対して塩2gくらいの塩水(分量外)に一晩浸けて塩抜きをします。
2.[漬け汁パート]の柚子果汁以外を小鍋に合わせてひと煮立ちさせ粗熱が取れたら柚子果汁を加えます。
3.スルメは細かく裂きます(料理バサミで切ってもOK)。昆布はキッチンばさみで極細に切ります。人参も千切りにします。
4.1.をざるに揚げて水気を切り、タッパに移して残りの材料と[漬け汁パート]を加えます。冷蔵庫で半日くらい漬け込めばできあがり。1週間以上もちますよ。
[備考]
・数の子が入っていることでご馳走感がハンパないです。なんかお節料理を食べてるみたい。食べごろは2、3日漬けて昆布出汁がしっかり出てからがお薦め。
・意外と裂きイカが良いアクセントになっています。それ単体でもかっぱえびせんのようなやめられない止まらない感があるのに、昆布のだし汁を吸ってそれが倍増されてる感じ。
・福島名物のイカ人参(スルメと人参が入ってます)も同系統の料理、こちらは更にお手軽に作れるのでお勧めかも。
ということで、よければ一度お試しください。
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