●「オール・マイ・ラビング」小路幸也著 集英社 10年版 1500円
東京バンドワゴンのシリーズ5。今回は古書のことで、「狐陰の葉」という仕掛け本のことが出てくる。これは最初はなかったはずの頁が現れる仕掛けで、江戸中期に庶民のお遊びのために造られたもの。その仕掛けを利用して、浮気男を懲らしめるのだ。
今回は東京バンドワゴンの蔵の中に、初代が頼まれて秘匿していた明治時代の華族たちの日記や書類のことがテーマ。それを、今の時代に甦らせようとする大手新聞社の記者と堀田家が対決することに。
また「源氏物語」の偽本のことも。ここでは、堀田家の家訓である「本は収まるところに収まる」を、堀田家の者たちが貫く話でありました。
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