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2023年07月11日13:38

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読書紹介2312●「森の捕食者ーー生物学探偵セオ・クレイ1」

●「森の捕食者ーー生物学探偵セオ・クレイ1」 アンドリュー・メイン著 早川書房 19年版 940円
 生物学教授で生物情報工学者のセオ・クレイは、モンタナの山中でのフィルドワークのためモーテルに泊まっていた。そこに武装した警備隊員たちが突入したのだ。若い女性動物学者・ジュニパーというセオの6年前の教え子が殺され、セオが容疑者とされたのだ。
 セオの研究対象はシステムである。その研究対象たるシステムは、DMA、細胞、体、池、惑星なんでもありである。セオの領域は、物事の関係性である。生物のライフサイクルを追う。遺伝子流動を見る。コンピューターモデルを構築し、現実世界の類似物を探すのである。つまり生物学者であり、コンピューターのプログラマーなのだ。
ジュニパーは、オタマジャクシの研究でこの近くの森に来ていた。ところが殺人現場の近くには、池も沼もない場所だった。ジュニパーの持ち物を調べると、セオの著作が何冊かあった。しかも、そのセオが近くにいたのだ。それでセオは容疑者として急襲された。
 グレン刑事はセオに対し、「あなたはどこから見ても怪しい。浮世離れした天才科学者だ」と、疑いの目を向ける。やがてジュニパーは「熊に襲われた」と検死官の報告が来て、セオは解放される。
 セオは現場に行き、ジュニパーの死骸を見る。腹が熊の爪で引き裂かれていた。しかし、何かがおかしい。「熊がやったように偽装したのでは」と保安官やグレン刑事に言うが、周囲の全員から正気を疑われてしまう。こうして、セオの孤立無援の真相究明がはじまるのだ。
 セオはカオスを整理するためMAATというソフトウェアを作っていた。人工知能である。このMAATに、ジュニパー殺しの犯人の巡回路をインプットする。それはホホジロザメの狩りのパターンに類似していた。それはひとえに、両者が類似した行動様式を手に入れているからである。
 セオは郡の近辺の行方不明者一覧から、ジュニパーと類似の行方不明者を探った。そして、その関係者(不明者の親友)を探し詳しく話を訊くことに。その内容をMAATに入力し、殺人現場を予測させた。その現場に行き、掘り返すと白骨化した死体が出てきた。
 その報告を保安官に知らせたが、またしても「熊に殺された」という結果に。セオが「熊に偽装した犯人がいる」というと、「すぐさま郡を出ていけ。出ていかなければ逮捕する」と脅される。
 となりの郡に移動したセオは、MAATで同じシステムで殺された人物(行方不明者)を次々に発見する。それは、5体にも及んだ。それでも警察は、ガンとして「熊がやった」という姿勢を崩さない。
 ということで、今度は犯人の行動パターンをMAATで探ると、1989年の事件を突き止める。この30年間、犯人は人知れず殺人を犯していたのだ。その数は、300以上と推定された。名を変え、姿を変える享楽殺人鬼。身体が大きく、大力の持ち主であることがわかった。
 やがて犯人の標的が、セオへと向かった。危うしセオ。セオの運命は・・・、という小説でありました。 アンドリュー・メイン著 早川書房 19年版 940円
 生物学教授で生物情報工学者のセオ・クレイは、モンタナの山中でのフィルドワークのためモーテルに泊まっていた。そこに武装した警備隊員たちが突入したのだ。若い女性動物学者・ジュニパーというセオの6年前の教え子が殺され、セオが容疑者とされたのだ。
 セオの研究対象はシステムである。その研究対象たるシステムは、DMA、細胞、体、池、惑星なんでもありである。セオの領域は、物事の関係性である。生物のライフサイクルを追う。遺伝子流動を見る。コンピューターモデルを構築し、現実世界の類似物を探すのである。つまり生物学者であり、コンピューターのプログラマーなのだ。
ジュニパーは、オタマジャクシの研究でこの近くの森に来ていた。ところが殺人現場の近くには、池も沼もない場所だった。ジュニパーの持ち物を調べると、セオの著作が何冊かあった。しかも、そのセオが近くにいたのだ。それでセオは容疑者として急襲された。
 グレン刑事はセオに対し、「あなたはどこから見ても怪しい。浮世離れした天才科学者だ」と、疑いの目を向ける。やがてジュニパーは「熊に襲われた」と検死官の報告が来て、セオは解放される。
 セオは現場に行き、ジュニパーの死骸を見る。腹が熊の爪で引き裂かれていた。しかし、何かがおかしい。「熊がやったように偽装したのでは」と保安官やグレン刑事に言うが、周囲の全員から正気を疑われてしまう。こうして、セオの孤立無援の真相究明がはじまるのだ。
 セオはカオスを整理するためMAATというソフトウェアを作っていた。人工知能である。このMAATに、ジュニパー殺しの犯人の巡回路をインプットする。それはホホジロザメの狩りのパターンに類似していた。それはひとえに、両者が類似した行動様式を手に入れているからである。
 セオは郡の近辺の行方不明者一覧から、ジュニパーと類似の行方不明者を探った。そして、その関係者(不明者の親友)を探し詳しく話を訊くことに。その内容をMAATに入力し、殺人現場を予測させた。その現場に行き、掘り返すと白骨化した死体が出てきた。
 その報告を保安官に知らせたが、またしても「熊に殺された」という結果に。セオが「熊に偽装した犯人がいる」というと、「すぐさま郡を出ていけ。出ていかなければ逮捕する」と脅される。
 となりの郡に移動したセオは、MAATで同じシステムで殺された人物(行方不明者)を次々に発見する。それは、5体にも及んだ。それでも警察は、ガンとして「熊がやった」という姿勢を崩さない。
 ということで、今度は犯人の行動パターンをMAATで探ると、1989年の事件を突き止める。この30年間、犯人は人知れず殺人を犯していたのだ。その数は、300以上と推定された。名を変え、姿を変える享楽殺人鬼。身体が大きく、大力の持ち主であることがわかった。
 やがて犯人の標的が、セオへと向かった。危うしセオ。セオの運命は・・・、という小説でありました。
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