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2017年10月06日08:26

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読書紹介1676・「残る螢ーー浜藻歌仙帖」

●「残る螢ーー浜藻歌仙帖」 別所真紀子著 新人物往来社 04年版 1900円
 浜藻は、子を成さない己に身をこがしていた。ところが、夫が他所で囲っていた女にも子はできず、別れたその女が他の男との間に子を成したことから、夫に因があることがわかった。
 浜藻40歳、養子を貰って次期名主として育てなければならない。そうすれば、これまで江戸に半月、大谷村に半月という暮らしを続けることはできない。浜藻の座は言葉の修練、この世を共に生きる者たちの心を解き放つ場所だったが、連衆の皆とも別れの時が迫っていたのだ。
 本書では、そんな浜藻が隣村の名主(40歳)で浜藻の画の師匠(名主は名代に任せっきりで、画業で名を挙げている)に恋してしまうこと。また連衆との一座で、隠居の長翠が隠居仲間が死んだ息子(顔を潰された土左衛門で)に小田原で会った、という付句を書いたことから、身替りに殺された人物がいるのではと、連衆の探索が始まる。そこから、同心の忍坂を巻き込んで大事件が発覚するのだ。
 そして、河東節の師匠の志鏡と忍坂の身分違いの恋の行き末など、句会を柱に物語は思わぬ方向へとすすんでいくのでありました。
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