読書紹介1619・「亜玖夢博士のマインドサイエンス入門」　

●「亜玖夢博士のマインドサイエンス入門」　橘玲著　文芸春秋　10年版　1600円
　このシリーズは、「衆生の救済」を決意した亜玖夢博士の相談所、「亜玖夢研究所」を訪れる相談者（ほとんどが社会のクズ）の願を叶えるための博士の処方箋に従い、博士の秘書のファンファンとその弟・リンリンが「願を叶え」させる、という物語。
　シリーズ2の本書では、博士の留守の間に訪れた相談者に応対したあかね（18歳の家出娘。新宿で博士に会って、研究所に住み込んでいる）が主人公である。
　本書の筋書きはさておき、本書では「認知心理学」「進化心理学」「超心理学」「洗脳」「人工生命」が扱われる。これらは、急激に進歩する脳科学や分子生物学、情報科学・工学が現に実現もしくは実現可能にしたものを、小説として描いたものである。
　読んでいて、「ヘェー!　科学はここまで来たか」と感心させられた。本書も、とびっきりに面白かった。