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2015年08月31日17:55

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読書紹介1441・「烏に単(ひとえ)は似合わない」

●「烏に単(ひとえ)は似合わない」 阿部智里著 文芸春秋 12年版 1350円
 八咫烏シリーズ1。山神さまがご光来した土地、それが八咫烏の王国である。その王国は、山神さまに代わって金烏が治めるよう命じられた。その王国での、日嗣の御子・若宮の后選びが今回のテーマ。
 この王国の皇帝を金烏、皇后を赤烏という。王国には、大貴族4家がある。この4家は、初代金烏の4人の子どもたちの末裔で、それぞれ東西南北に分れて領地を与えられた。4家からそれぞれ后候補が桜花宮に集められた。そこで若宮の御成りを待つのだ。ところが、桜花宮の行事に若宮は一向に現れない。その間に、若い女房が崖から落とされて殺されたり、外部から侵入した山烏(庶民ということ)が藤宮連(普段は宗家の女房で、有事の際には警護・戦闘集団となる)に殺される事件がおきる。全ては、后選びに関わる陰謀や競い合いに起因していたのだ。
 本書では、4人の姫たちの見た目ではわからない真の姿が、次第に明らかになる。家の犠牲になっていたり、若宮にただ純粋に好かれたいと思っていたり、陰謀を逞しくしたりと様々である。
 最後の大団円では、1年ぶりに若宮が現れ、これまでの事件の謎解きする、という物語。第19回松本清張賞を、著者が最年少(21歳)で受賞した本。この本は、シリーズ化されていました。

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