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2022年07月24日13:00

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読書紹介2206●「日本人の身体」

●「日本人の身体」 安田登著 ちくま新書 14年版 820円
 古い日本語では、生きている身体は「み(身)」と呼ばれ、それは心と魂と一体のものであった。それで「からだ」という言葉は、死体という意味であった。やがて、生きている身体が「からだ」と呼ばれるようになったことで、からだは自分自身から離れて対象化されるようになった。「カラダ」と「ココロ」は分裂し、内向きな身体観が横行しはじめたのだ。
 ということで本書では、「古事記」や「新約聖書」やホメーロス「オデュッセイア」や「論語」等々を引用しながら、古代人のおおらかな身体感覚を紹介している。なかでも、白川が解読した甲骨文字の原初の意味や、日本で650年前に成立した能(著者は能楽師)の物語を参照して、身体の意味を明らかにしているのだ。とても面白い本でした。

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