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2021年08月22日16:27

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読書紹介2097●「トッカンーー徴収ロワイヤル」 

●「トッカンーー徴収ロワイヤル」 高殿円著 早川書房 18年版 1500円
 シリーズ4では、主人公の鈴宮深樹ことぐー子(26歳)が半年間の研修を受けることに。ところでこの研修、同年齢の男女の出会いの場にもなっているのだ。期待を膨らませて、和光市の税大まで通うこととなったぐー子だが、出会いはみごとに失敗。全国の体験談をゼミで身に着け、京橋税務署に帰ってきたのだ。
 今回の徴収案件では、1つに70代の女性が相続税を滞納したこと。築地の土地を売れば2億円になるので、その相談(銀行に借りて納付したほうがいいとか)にのっていたぐー子だったが、突然、連絡がとれなくなる。
 自宅に赴いたぐー子は、女性の確認のうえ土地・建物を差し押さえることに。やがて競売となり、3億円で買い手が。その直後、なんと全額が納付されたのだ。競売は無効となった。
 実はこの女性、有名な女優だった人で、前夫のストーカーに会っていたのだ。競売で競り落としたのも前夫の関係者で、競売直後に「土地も家もお前自身も俺のものだ」とやって来た。その顛末が映像に残され、ストーカーの証拠として警察に提出。前夫はあえなく御用に。つまり、ぐー子と税務署がこの逮捕劇に利用されたという訳。
 2つは、質店を営む業者が滞納を。調べると、営業の実績がない。ところが、その業者が「豪遊している」とのタレコミが。メールや通帳などを調べても、会話のやり取りはほとんどなく、通帳にも金銭の遣り取りがない。
 やがて、業者がネットで中古のブランド品を買い集めていたが、それは「友人に頼まれて買っただけ」と逃げられる。又、その業者が頻繁に対馬に釣り旅行に行っていることを掴む。そこで「現金で売りさばいている」との直観で、ぐー子と上司の鏡は対馬に乗り込む。そこでは、韓国からのツアー客が大勢やってきていた。
 そのツアーの添乗員(韓国人)が業者の愛人で、業者が隠し持つスマホもその愛人のものだった。だから、メールにも怪しい記録が残らなかったのだ。ブランド品は、なんとそのツアーバスの中で韓国人相手に現金でなされていた、という訳。こうして、韓国の税関を巻き込んでの逮捕劇が繰り広げられたのでありました。

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