困る奴

　コマルキマワリというキマワリの仲間がいる。いつも背を丸めて頭を下に向けているので、和名の由来は「困るキマワリ」なのではないかと思ってしまう。

　いわゆる、普通種の部類である（大大図鑑で★★）。自分は高尾山が初めての出会いの場。札幌円山公園でも見つけた（ただし、別種かと思うほど背の丸まり方が異なる）。おそらく、ある程度の自然度があれば、関東の低地にも珍しくないのだろう？

　しかし、東京都区部では、記録はとても少ない。半世紀以上前の文献記録を除けば、赤坂御所の記録があるだけである。

　そのコマルキマワリ、目黒区では、林試の森公園で（数は多くないものの）コンスタントに見られる。昨晩も確認してきた。見られる箇所はほぼ決まっているのだが、以前より箇所が減っているのが、ちょっと気がかり。



　なお、前も書いたが、図鑑には「枯れ枝によく見られる」とあるのに、自分が見つけるのは決まって生木の幹上。林試の森公園は、生木は豊富にあるが、観察に適した良い枯れ木・枝に乏しい。

　というわけで、この虫は、都区部においては極めて局所的のようである。自分にはヒメキマワリよりも見つけやすいが、それはポイントをたまたま知っているからに過ぎない。東京都区部城南地区レッドデータブック自己版があるとすれば、「絶滅危惧」と言いたいが、まずは「情報不足」といったところか。