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2017年02月05日12:03

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読書紹介1612・「マルクス最後の旅」

●「マルクス最後の旅」 ハンス・U・クリスマンス著 太田出版 16年版 2400円
 本書は、1882年から83年にマルクスが亡くなるまでの1年間を描いている。肺病となったマルクスは、エンゲルスの援助で82年4月から療養のためアルジェ、南フランス、スイスに旅行する。アルジェでは、マルクスの預言者髭と法曹かつらみたいな頭髪をばっさりやって、別人のような姿となる。
 アルジェの地は、肺病のマルクスには適した地ではなかった。そこで、南フランス(ここでは娘や娘婿、孫たちと共にする)、スイスへと転地するが、その間にもマルクスの研究熱は鎮まらず、当時盛んになっていた株式投機やカジノ資本主義の研究に取り組んでしまう。それも数学モデルできちんと説明し、魔法でもなんでもないことを見せてやろうとしたが、これらは膨大なメモの一部として残されただけで、1972年まで公にされることもなかったのである。
 そんな1年間のマルクスについて(この間に株式投機を実際にやって、マルクスは儲けを出したりもしていた)、著者は映像のための「字コンテ」として本書を書いたのだが、映像化は実現しなかったのでありました。

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