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2015年10月28日15:34

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読書紹介1457・「ちぎれ雲ーー漢方医・有安3」 

●「ちぎれ雲ーー漢方医・有安3」 秋山香乃著 朝日新聞出版 10年版 760円
 有安は、元某藩の次男・三男で構成された暗殺集団の1人であった。藩命によって斬った夫婦には、1人の幼女がいた。幼女を捨てて逃げることができず、その幼女を抱えて江戸にやって来て漢方医(暗殺者が必要な知識として習得させられた)となったのである。幼女にはお雪と名づけ、15年間、自分の娘として一諸に暮らしている。お雪は、有安の生きがいとなっていたのだ。
 本書では、そのお雪が道場通いをやり、女性らしい料理が苦手な愛らしいそこつぶりが描かれている。ある日、家への帰り道で「血の臭い」を嗅いだ有安は、神社へと向かった。そこには、腹を真一文字に斬られた瀕死の武士がいた。その顔を見て、有安は愕然とする。それは、彼のかっての仲間だったのだ。とっさに殺してしまおう、と思った有安。だが、医師である有安が「大好き」と言うお雪の言葉がよみがえったのである。
 結局、その侍を家に運びこんで看病することに。その侍は、ショックで記憶喪失となっていたのだ。ということで、患者と医師という関係ながら、その侍と一緒の家で暮らすこととなった有安の、苦悶の日々が描かれた本でありました。

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