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2015年10月28日15:31

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読書紹介1455・「朱温 下」

●「朱温 下」 仁木英之著 朝日新聞出版 09年版 940円
 下巻は、権力に取付かれた朱温が、人間らしい温かみを失って、敵にも部下にも冷酷み接するようになる。大梁の地を拠点にして、東西南北の勢力に対し時に敵対し、時に協力しあいながら自らの勢力を伸ばしていく様が描かれていくのだ。
 やがて中華最大の勢力となった朱温は、長安を押さえ、帝を洛陽に遷都させる。自分の生命が永くないことを悟った朱温は、譲位を急がせる。そのため、今上皇帝は暗殺され、幼い皇子が皇帝となり、ついに朱温は中華の皇帝を名乗り国名を大梁としたのであった。
 しかし、朱温の実子にも仮子にも朱温の意志を継ぐような器は存在せず、朱温の死後の大混乱を匂わせて本書は終わったのである。本書は、三国志演義のような諸国(中心に梁の朱温、北に河東の李克用、更にその北に契丹の耶律阿保機、西に長安周辺の節度使の李茂貞・韓建、更にその西の四川の王建、南に江南の銭鏐等々)との争いを描いていたのでありました。

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