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2015年06月10日17:08

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読書紹介1410・「ツングース特命隊」 

●「ツングース特命隊」 山田正紀著 角川春樹事務所  99年版 780円
 1908年の、中央シベリアの奥地ツングースで起きた謎の大爆発の原因調査を命じられた、主人公・武藤淳平の辺境冒険小説である。武藤は、元日本軍謀略戦の総帥・明石大佐の部下で、任務でロシア(日露戦での謀略戦)に渡る時に、軍籍を外れていた。そのまま、日露戦後もロシア・中国・朝鮮の辺境を彷徨い、今では朝鮮の抗日ゲリラに拳銃を密輸する業者となっていたのだ。
 その彼が、朝鮮駐剳軍の憲兵司令官となっていた明石に呼び戻された。「ツングース大爆発」の調査をしろ、と云うのである。明石は、この爆発が「新型爆弾」(原爆のこと)ではないかと疑っていたのだ。1914年当時(小説の現在年)、既にアインシュタインによる「原子崩壊」の仮設は発表されていたのである。
 ということで、ロシアに向かった武藤らの特命隊は、そこで怪僧ラスプーチンに会ったり、妖術師・グルジェフに遭ったりしながら、爆発地点にどうにか辿り着く。そこにあったものは・・・。という物語。
 正直云って、山田作品をこれまで読んできて一番の駄作であった。辺境冒険小説ならそれに徹底すればいいのに、宇宙の何者かの意思によって「謎の飛行船」が地球に降り立ったこととか、人殺しばかりする人類にとって代わる「種の進化を促進」させる話など、トンデモ! 話になっていって、収拾がつかなくなっていたのでありました。

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