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日記一覧

 著者は1962年生。評論家、拓殖大学客員教授 本書によれば、第二次大戦前後にかけて、朝鮮戦争も含めて、ソ連による革命・スパイ工作が活発に行われていた。しかも、その標的となったのはアメリカ民主党のルーズベルト政権で、後継のトルーマン政権も含めて

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 「ブレヒトは政治やマルクス主義との関わりから、役への感情移入を基礎とする従来の演劇を否定し、出来事を客観的・批判的に見ることを観客に促し、見慣れたものに対して奇異の念を抱かせる「異化効果」を提唱し、戦後の演劇界に大きな影響力を与えた。」ウ

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 わたしの子供・青年の頃はイタリア映画だった。 1.まずは、ヴィットリオ・デ・シーカ監督である。 「自転車泥棒」1948や「屋根」1956である。「屋根」は戦後のイタリアで住宅不足で新婚夫婦お親兄弟と同居でセックスに困る。で、河川敷など共有地に勝手

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 1.行動の物語の主人公 アメリカの少年を代表する主人公はマーク・トウェイン「トム・ソーヤーの冒険」(The Adventures of Tom Sawyer)1876年「ハックルベリ・フィンの冒険」(The Adventures of Huckleberry Finn)1885年だろう。トムは行動的で機転が

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 理想化された社会主義ソ連という幻像は、戦後日本の知識人層の憧憬の対象だった。毛沢東の中国も同様で、アメリカ人ジャーナリストのエドガー・スノー「中国の赤い星」は毛沢東礼賛本の典型と言える。 ロシア革命礼賛本としてはアメリカ人のジョン・リード

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 つまり戦後のアメリカでマルクス社会主義者が勢力を伸ばしていたわけである。資本主義の総本山で、しかも第二次世界大戦勝利の後で。 ソ連の宣伝通りの社会主義の成功を信じた知識人たちが各界に多くいたと言うことに違いない。マルクスの隆盛は敗戦後日本

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 梶よう子原作。NHKドラマ 2024年(令和6)4月28日本名は安藤重右衛門という武士(役目が定火消)だったが、画家に専念するために家督を甥だったか? に譲って、自身は歌川広重(阿部サダヲ)を名乗って自由の身になる。しかし、売れなかった。 メフィス

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 1.毎朝スズメである。で、スモモの木の私の背より少し高いところに餌台を置いて毎  朝米粒をやっている。それでも最近はスズメも減ってきた。 十年ぐらい前までは霞ケ浦の公園に時々自転車で行っていたが、その時にセヴンでお掬びを買って行って食べて

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 中村草田男「降る雪や明治は遠くなりにけり」ではないが、昭和20年生まれで、人生の盛りが昭和だった人間から見れば「昭和は遠くなりにけり」である。 昭和天皇の在位期間1926―1988 62年間 で、昭和は長かった。ここに敗戦と言う日本史未曽有の時期があ

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 欧米各国と日本の国家統一はほぼ同時だった。 アメリカ南北戦争 1861年4月12日 – 1865年4月9日アメリカは封建国家ではなかったが、奴隷制だったのでなお悪い状態だったのかもしれない。 イタリア統一1861年 共和派カルボナリのガリバルディとサル

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 村上春樹はニューヨークで暮らし、執筆しているとのことで、世界的な人気作家だった。毎年のようにノーベル賞候補だと期待されていたが、英国に住んで執筆していたカズオ・イシグロ「日の名残り」1989年 がノーベル賞を受賞(2017年)した。 (階級社会英

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 1.つくしの由来 植物の土筆で成長してスギナになる。オタマジャクシは蛙の子であるように。 近所にあるビジネスホテル「つくし」は野球少年(霞ケ浦の近くに球場がある)などの合宿にも使われるらしい。 で、「澪標」(水脈土筆)とは、川を 通行する

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 パステルナークは革命派ではないが、それでも「ドクトル・ジバゴ」にはロマンがある。ロシア革命・反革命ロマンの副産物と言うべきであろう。 ロシア革命を描いた大河小説としてショーロホフ「静かなるドン」があるが、真っ暗闇のドン河というべきアンチ・

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もう50年以上も前になるが、まだ「赤毛のアン」を時々眺めていた頃、ネットで見たのだが、今頃「アン」を読むのは日本人だけだろう。それにプリンス・エドワード島でアンの家やキャベンデッシュの街に来るのは日本人ばっかりだ、と言われていた。 村岡花子

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 1枚目 プリンス・エドワード島の熱帯赤土     ネットから 1.ヨハンナ・シュピリ「ハイジ」1880 シュピリの家は名家だったようで、兄がドイツの文豪ゲーテとも友人だった。彼女も愛読していて「ハイジ」は「ヴィツムヘルム・マイスターの修行時代

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 まずは、サン=テクジュベリ「星の王子さま」(le petit prince)1943だろう。ひとりで星に住んでいたとのことで、そこでチューリップを育てていた。ということは、チューリップが友だったわけで、その時点で孤独ではなかったことになる。 著者のサン=テク

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 井上隆史「大江健三郎論 怪物作家の本当ノ事」光文社新書2024年3月28日著者は1963年生、東大文学部卒、白百合女子大教授で、三島由紀夫に関する著書が多い。 帯に「本当に戦後民主主義者なのか?」 その作品世界を丹念に追うことで「従来の大兄像」を覆

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 1.トルーマン・カポーテ「ティファニーで朝食を」(Breakfast at Tiffany’s)1958 映画1961年でオードリー・ヘプバーン主演 上流階級にあこがれる女性が主人公で、モデルはカポーテの母だった。 彼女はアラバマの田舎町モンローヴィルに代々住む一族

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 1.フランシス・バーネット「秘密の花園」(The Secret Garden)1911今は荒れ果てた庭を美しかったかっての花園によみがえらせる少女と少年の物語だが、少女の両親は亡くなって親戚のもとに引き取られたのだが、母親は美人だったのにとひがむわがままで、少

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 ギリシャ語では、「時」を表す言葉として(カイロス)と (クロノス)の2つがある。前者は「時刻」を、後者は「時間」を指している。 「クロノス時間」は、過去から未来へ一定速度・一定方向で機械的に流れる連続した時間を表現し(つまり時計クロックの語

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 1923年9月(大正12) 関東大震災(死者・行方不明者は推定10万5,000人で、明治以降の日本の地震被害としては最大規模の被害。 1929年12月 世界大恐慌 1.「東京行進曲」1929年 菊池寛 溝口健二監督による映画の主題歌 歌:佐藤千夜子、作詞:西條

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 1枚目「寺島町奇譚」表紙絵 2枚目 映画「君の名は」数寄屋橋の真知子と春樹 どちらもネットから 1.宮沢賢治「永訣の朝」は彼の第一詩集「春と修羅」の哀しみの白眉といえるが、賢治からこの詩集を贈られた高村光太郎・智恵子夫妻は賢治を自宅に招い

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 1枚目 北斎 2枚目 広重  ネットから ドイツ人医師シーボルト 1823―30まで長崎に鳴滝塾をひらいて医学を教授していた。1833年に持ち帰った園芸植物の植物園をオランダのライデンに作った。 1856年 フランス人版画家のブラックモンが、輸入した陶

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 桑原 武夫(1904―88) フランス文学者で文化勲章受章者、ルソーやフランス革命の共同研究の中心となった。さらに専門を越えて一般彩会への影響力もあった。 フランス革命の研究のためにフランスへ留学した時に、フランスの大学関係者から、フランス革命

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 浮世(瞬間)と永遠という相互排斥を同時に感得することを仏教で悟りと言うのでないか。 正岡子規「柿食へば鐘が鳴るなり法隆寺」 ・・・柿を食う日常に突然永遠を象徴する鐘の音が侵入してくる。実際、人はいつ永遠に出会うか分からないのである。 芭蕉

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 1.大伴家持「海行かば」 万葉集「陸奥国に金を出す詔書を賀す歌一首、并せて短歌(大伴家持)」の一部分 「海行かば 水漬く屍 山行かば 草生す屍 大君の 辺にこそ死なめ かへり見は せじ と言立て 丈夫の 清きその名を古より 今の現に 流さ

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 1・トルストイ「復活」1899 青年貴族と下女のカチューシャ 「カチューシャの唄」1914大正3年 劇団「芸術座」による「復活」の劇中歌。主演女優の松井須磨子が歌った。 作詞:相馬御風・島村抱月 作曲:中山晋平 「カチューシャかわいや わかれの

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 1.北 杜夫(斎藤宗吉)「楡家の人びと」雑誌「新潮」1962―連載、新潮社1964 ・・・青山脳病院の養子(妻が斎藤輝子)になった斎藤(守谷)茂吉(北 杜夫の父)つまり北自身の一族の物語である。トーマス・マン「ブッデンブローグ家の人々」の影響を受

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 1.李香蘭(山口淑子)主演 映画「支那の夜」1940主題歌「蘇州夜曲」西城八十作詞、服部良一作曲、 1)君がみ胸に 抱かれて聞くは 夢の船唄 鳥の唄 水の蘇州の 花散る春を 惜しむか柳が すすり泣く 3)髪に飾ろか 接吻(くちづけ)しよか 君

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 1.「江村晩眺」戴復古(1167―1248)南北朝時代江頭落日照平沙  江頭の落日平沙を照らし潮退漁船閣岸斜  潮退いて漁船岸に閣かれて斜めなり白鳥一双臨水立  白鳥一双水に臨んで立ち見人驚起入蘆花  人を見て驚き起ちて蘆花に入る 「次郎物語」で

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