1.フランシス・バーネット「秘密の花園」(The Secret Garden)1911
今は荒れ果てた庭を美しかったかっての花園によみがえらせる少女と少年の物語だが、少女の両親は亡くなって親戚のもとに引き取られたのだが、母親は美人だったのにとひがむわがままで、少年は大地主gentlemanの息子だが母を亡くしたことで死の恐怖に怯えるひ弱な子。父親は息子を嫌い旅に出て帰ってこない。
フィリパ・ピアス「トムは真夜中の庭で」(Tom's Midnight Garden)1958は、「秘密の花園」のオマージュ作品とのこと。
2.ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」(: Alice's Adventures in Wonderland)1865
彼の本名本職はオックスフォード大学の数学教師チャールズ・ラトウィッジ・ドドソン
アリスは実在のオックスフォード学寮長の娘とのことで、不思議の国とはオックスフォード大学周辺で、世間離れした教授たちをモデルにしていると思われる。最初に登場してお前は誰だと詰問する水煙管を吸う芋虫は守衛で、ティー・パーティーに並んでいるのが教授たちだろう。
3..「Pippa's Song」1841年 Robert Browning
The year's at the spring,
The day's at the morn;
Morning's at seven;
The hillside's dew pearled;
The lark's on the wing;
The snail's on the thorn;
God's in His heaven,
All's right with the world !
「春の朝」 ロバート・ブラウニング(上田敏・訳)
時は春、
日は朝(あした)、
朝(あした)は七時(ななとき)、
片岡(かたおか)に露みちて(満ちて)、
揚雲雀(あげひばり)なのりいで(名乗り出で)、
蝸牛(かたつむり)枝に這い、
神、そらに知ろしめす。
すべて世は事も無し。
ピッパは孤児で住み込みの紡績女工だが、一日の休暇を貰って街を散歩しながら神を讃える。この歌は一番有名で、モンゴメリ「赤毛のアン」1908年 の最期の場面で、孤児だったアンを引きって育ててくれたマシュウの墓参りをした後で「神、そらに知ろしめす。すべて世は事も無し。」とつぶやいて大団円となる。
「赤毛のアン」は作者モンゴメリの故郷のプリンス・エドワード島キャベンデッシュを舞台にして、アンによるキャベンデッシュ賛歌でもある。
朝ドラの「花子とアン」によれば、翻訳者の村岡花子も生活力のない父にプロテスタント系の東洋英和女学校に給費生の寮生に押し込まれて「赤毛のアン」に出合ったとのこと。
ログインしてコメントを確認・投稿する