●「白蛇の洗礼」 高田崇史著 朝日新聞出版 08年版 1600円
毒草師シリーズ2。今回の事件は、「千利休はキリスタンだったという説に関連した茶室での不可能毒殺事件」である。裏千家教授による茶会で、教授の次男が毒物中毒で死亡する。調べてみると、その毒の1つは蛇毒であることが判明するが、その他が分らない。やがて、その茶会に参加していた教授の長男も。さらに、教授の弟子の1人も同じ毒物で殺されることに。
ここで、主人公の医療関係の雑誌記者・西田が、編集長命令で事件の潜入捜査に駆り出される。そこで、茶道のこととか千利休のこととかのウンチクが語られていく。その中に、千利休がキリスタンだという説に関係して、弟子たちの間で新興宗教がらみの争いが明らかになっていく。
ということで、問題が出揃ったあたりで西田の隣人である毒草師が登場する。毒についてのウンチクが語られたうえで、犯行に使われた毒の特定が行われる、という物語。毒にまつわる、妖しくも哀しい運命に操られた女性が浮かび上がってくるのでありました。
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