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2015年06月17日16:01

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読書紹介1416・「月下妙剣」 

●「月下妙剣」 多田容子著 講談社 05年版 1800円
 柳生十兵衛シリーズ第2弾。本書では、20歳の十兵衛が9歳の牛之介を身の回りの世話人として弟子にする話。2人は、忍術の走法を忍者を師にして学ぶことに。牛之介は、幼い頃より走ることが得意で負けたことがなかったのだ。だから本書では、全編に走法のことが語られていて、とても興味深かった。
 それから7年後、牛之介は16歳となり十兵衛の隠密行の供となった。本書では、家光公と弟の駿河大納言の確執を柳生新陰流の兵法で解決しようという話。柳生新陰流兵法とは、「切らず、取らず、勝たず、負けざる剣」というもの。そのため、家光と大納言を竹刀で立合わせようと十兵衛が目論んだのだ。
 大納言には一刀流の忘夢斎が指南役となり、家光には十兵衛が指南役を務めた。そこで十兵衛は、家光が即席で柳生新陰流兵法の真髄を会得するよう、その術理を詳しく口伝するのだ。側で聞いていた牛之介も、瞬く間に柳生流の術理を身に付けていくことに成功してしまう。
 ということで、後に十兵衛には「柳生流の秘伝を新参者にも次々に教示してくれる」との噂がたつことに。こうして十兵衛は生涯で、1万3600余人もの門人を排出するようになる。本書は、牛之介の青春剣豪小説でもありました。面白かった。

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