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2020年09月17日10:06

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読書紹介1971●「マル暴甘粕」

●「マル暴甘粕」 今野敏著 実業之日本社 14年版 1600円
 北綾瀬署の刑事組織犯罪対策課(通称、マル暴)の組織犯罪対策係に所属している甘粕は、どう見てもマル暴刑事には見えない。マル暴刑事というば、たいていごっつい刑事ばかりで、マルB(暴力団)と見分けがつかない風貌をしているからだ。甘粕は身長も人並み、体重もそれほどない。35歳だが、童願なので30前に見られるのだ。
 彼の夢は、無事に警察を定年退職し、年金で暮らしていくこと。気が小さく、暴力ざたは大嫌いであった。上司の郡原は恐いし、マルBも恐い人ばかりで、あまり関わりたくないが、仕事なのでどうしようもない。
 ということで、郡原にもマルBにも振り回される甘粕であったが、管内で起こった半グレ(組員でない)の若者の殺人事件の捜査本部に組み入れられてしまった。そのため、恐る恐る暴力団事務所を廻って情報を集めるのだが、この殺人に不可解な点を見つけてしまう。
 その1つが、被害者が3日前に拉致監禁されちていたらしいのに、わざわざ管内の暴力団の縄張り内で殺されたこと。2つは、加害者の車(防犯カメラでナンバーが確認)の所有者が3日目にわかったこと。陸運局に問い合わせれば、即日に判明するはずであった。3日かかったのには、電子記録を改竄したからではないか、という疑問である。
 やがて、この殺人を巡って地元の組とその対抗組織の組が、抗争の準備を始めた。何者かが、抗争を仕掛けた気配が・・・。
 こうして、甘粕が事件を解明してしまう。甘粕は、自分が思っているほどダメ刑事ではなかった、という物語でありました。

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