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2011年01月05日12:18

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小説の中の謎(52)  ピーナッツとムーミン

 チャールズ・シュルツ「ピーナッツ」の面白さは、登場人物のキャラクターがもたらす思想的な広がりにある。チャーリー・ブラウンはリーダーを自認するが、実際は目立たないまとめ役、ライナスはイノセントな哲学者、シュレーダーは音楽家、それにスヌーピーは無欲な快楽主義者だろうか。それに、彼らの空想と火花を散らす現実主義の女の子たち。
 この漫画は、現実と少し離れたところで、考えさせられ、笑えるのである。 長谷川町子「サザエさん」は、ほぼ家庭内、家族間の役割やできごとと、そこから起きるおかしさに限定されている。それだけに、時代を映している。むろん、面白いし、いつまでも覚えている場面もある。物語の指向性の違いなのだろう。
 一方、トーベ・ヤンソン「ムーミン」は、ホスピタリティのムーミン一家(特に、ママ)を中心に、孤独を愛する変わり者のキャラクターたちの物語である。変わっていることを尊重し、包み込むムーミン一家。これは、イエスのように「迷える子羊」に手厚くしているというより、ヤンソンは迷える羊たちだけで物語を作ろうとしたのだろう。ずいぶん思い切ったことだが、それでも介助員のようなムーミン一家がいないと彼らの結びつきを作ることはできなかった。 
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