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2011年01月09日10:53

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言葉(7)  序列と円環

 江戸時代は武士の時代であり、京の天皇のことなど一般庶民は知らなかった。明治維新で藩閥政府が天皇を復権させたのは、自身の権威の源泉を作る必要があったからである。という説が昔の進歩主義史観の定説だった。
 しかし、この説は実態がどうだったか調べる以前に論理的におかしいと思う。封建時代に、どんな地方の百姓でも、誰が偉いのか知らずに生きていけなかった。地主さまが偉い、その上にお役人様、さらにお城の殿様、さらに江戸という町に将軍様、それで終わりか、いや京に天皇さまがおられる・・・この序列は教えられただろうし、また論理的でもあった。
 常識のある人間には誰でもわかったはずだ。進歩主義史観は論理が自動的に動き出すことを軽視していたのであろう。すべて計画して動かすのだから。
 「ねずみの婿取り」だったかの昔話もこれと同じく、一番偉いひとに娘を嫁がせるために、順々に偉い人にあって行く。最初はお日様、次の雲、次に風、次の壁ときて、壁にねずみさんにはかなわないと教えられて、同族のねずみと結婚させることにして、めでたしめでたしだった。
 この昔話が江戸時代には成立していたとしてだが、百姓は生きるためのうわべの態度と内心のプライドと同時に持っていたことになる。人間だれでも持っている論理的思考によって。
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