mixiユーザー(id:34218852)

2023年09月27日20:42

7 view

旅の記3 浄瑠璃寺の吉祥天女像

 1枚目 吉祥天女像

 京都市内から奈良県境にある浄瑠璃寺に向かう途中の山寺の説明によると、この辺りは前の戦争で焼かれたとのことだった。しかし、大平洋戦争で米軍は京都も奈良も爆撃していないのに、こんな田舎をと思っていると、この前の戦争とは応仁の乱(1467―77)のことだという。
 歴史の古いことを誇りとしているわけだが、5百年前を昨日のことのように言う。時間がないのかもしれない。確かに、仏教の時間感覚は普通ではない。キリスト教も同じか?

 英国も同じようで、SF小説だが、エリザベス朝にタイムスリップした少女が着いたところは、貴族の館の調理場で、そこを仕切るおばさんが、少女の親戚にそっくりで、むこうも親戚の子が迷い込んできたと思っていた。
 歴史地理的に解釈すると、日本も英国も安定した封建社会だったので、人の移動がほとんどなかったと言えそうである。それでも、日本の場合は、明治維新と高度成長期に人口の移動があったわけだが。

 奈良坂近くの京都府木津川市に浄瑠璃寺(じょうるりじ)がある。空海系の真言律宗とのことで、本尊は九体阿弥陀仏(国宝)・薬師如来(重文)。寺名は薬師如来の居所たる東方浄土「東方浄瑠璃世界」に由来する。
 しかし何といっても吉祥天女(重文)である。そもそも同じような阿弥陀仏が9体揃っているのは他にないから国宝だというのがおかしい。同じなら1体でよいわけで。しかし、信仰的にはたくさんある方がご利益があるというのだろう。その最たるものは千手観音菩薩が1001体でぎっしりの京都の三十三間堂に違いない。
 芸術的には1体でよいわけで、ミケランジェロのダビテ像が千体あっても仕方がない。運慶や快慶もミケランジェロと同じ芸術家だった。
 日本の場合は宗教的価値と芸術的価値を混同しているのではないか。


1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2023年09月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930