１枚目 蒲生邸事件
２枚目 トムは真夜中の庭で
３枚目 思い出のマーニー
父と不仲は当然のこと。祖父に見習うようになる。・・・というセリフはどの小説にあったのか。全く忘れた。
セリフだけを思い出したのは、そう言えばファンタジー系に沢山あるじゃないかと気が付いたからである。
�ゝ槁瑤澆罎�「蒲生邸事件」
�▲侫�リッパ・ピアス「トムは真夜中の庭で Tom`s midnight garden」
��ジョーン・Ｇ・ロビンソン「思い出のマーニー When Marnie was there」
他にもあったが題名を思い出せない。
まあ、実の祖母と孫娘の関係は「マーニー」だけで、「蒲生邸」と「トム」は祖母の優しさを秘めた少女だった。トムは現実に「祖母」と対面できたが、「蒲生邸」の少年の場合は「祖母」はすでに死んでいて、孫娘と対面することになる。
ということで、以上の三冊はすべてタイムトラベルものと言える。厳密にはマーニーは向こうからやって来るのだが。
400年を越えてエリザベス朝時代に至るファンタジーもある。
アリソン・アトリー「時の旅人 A traveller in time」
ジュード・デヴロー「時のかなたの恋人 A knight in shining armor」
「旅人」の主人公は少女で、そのままエリザベス朝の貴族の館へワープするのだが、そこの賄い婦は彼女の祖先なのである。「祖先」は変わった子が迷い込んできたと思ったが、親戚の子に似ているので、事情があるのだろうと少女を自分の手伝いにする。
「恋人」の方は、イギリス旅行中のアメリカ女性なのだが、婚約していた男性に置いてゆかれ大声で泣いているところを400年を越えて処刑寸前の騎士が現れたのである。騎士は自己の無実（エリザベス女王への謀反の疑い）を晴らして一家を救おうと、その証拠を探して自身を陥れた男の子孫の家へ乗り込んでいく。「子孫」氏の挨拶は「・・・家のロクデナシ野郎、来やがったか」というもので、400年は昨日の如しなのである。
両方ともイギリスが舞台であるのは、そこでは何百年たとうと家同士の人間関係が維持されていると、それが不自然でないと、信じられているらしいからである。
ということで、何を言いたいかというと、自身のアイデンティティは過去にアンカーの如く埋まっている。祖母との関係が傷ついた心を癒してくれる、はずだと信じられること、それが、小説内ではあるが「現実」に心をいやすからである。むろん、同時に孤独な祖母の心も癒していたのである。
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