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2023年07月02日10:04

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浮世の謎(112) パリは燃えているか

 パリなどいくつかの都市で、警官が移民の少年を射殺したことが原因で暴動が起きているとのこと。
 仏独が中心となっているEUがEU諸国内での移動の自由(シェンゲン協定)を認めているために、外部からの移民希望者はどこかに入国すれば、後は自由に仕事のある待遇の良いところへ行けるから移民が増えるわけだ。
 アメリカでも同様であり、中南米からの不法移民でも入国さえすれば歓迎してくれる州がある。しかし、移民の方も期待外れになれば犯罪者にもなって警察に追われることになる。

 日本でもかっては西成や山谷で過激派に先導された日雇労働者の暴動があった。フォークの「チューリップのアップリケ」が流行ったのはその頃だと思う。
 上条恒彦と六文銭の「出発の歌」もその頃流行っていた。
 「おまえの目に 焼きついたものは化石の街 愛の形が壊れた時に
残されたものは 出発(たびだち)の歌」

 現在の日本でも移民希望者の問題が起きている。
 入国者収容施設で観光ビザで入国して帰国を拒否するスリランカ人女性が死亡した。虐待から逃れるため警察の保護を求めていたとのことだが、それはスリランカ国内で処理すべき問題だろう。独裁政権から逃れるという政治的な理由はないわけで亡命に当たらない。ただし、フランスのような暴動に至らないのは過激派の力が衰えたからだろうか?

 もともと日本は暴動や混乱に乗じた略奪が少ない。
 歴史的にも治安のよい穏やかな国とされていた。
 中国の史書「前漢書」で、「然して東夷の天性柔順、三方の外に異なる。故に孔子、道の行われざるを悼み、設(も)し海に浮かばば、九夷(東夷のこと)に居らんと欲す。以(ゆゑ)有るかな。)(船で行くと言っているので日本のことだろう。孔子も中国はあきらめたということになる)

 もともとフランス革命で生まれた国なので、暴動を容認する国民性があるのだろう。日本には革命はなかったし(明治政府は徳川幕府の官僚が中心になった)、英国もクエムウェルの清教徒革命(国王を処刑)だけだった。

 もっともそれを残念がるインテリもいて、天皇を処刑できない日本が恥ずかしいと言っていたし、「楢山節考」の深沢七郎は、「風流夢譚」で、天皇皇后皇太子夫妻の首が落ちる夢を見た。まあ、深沢の場合は支配階層を憎むアナーキズムだろうと思う。
 それでもソ連のコミュニズムは帝政末期のアナーキズム・ニヒリズムに育てられたと言って良い。ただ、自分の育てたスターリンは帝政以上に抑圧・弾圧的で、アナーキストも弾圧された。
 イソップの寓話集には飢えた狼より満足したライオンの方が良いという物語があったが、今のプーチン王は満足したライオンなのかもしれない。しかし、ウクライナに対しては、飢えた狼を放っている。外国には強く出た方がロシア人には立派に見えるらしい。


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