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2014年07月23日10:59

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動物物語(4)牝猫ペコと牡猫おかめの身の上話

おかめ:梅雨が明けたなあ。暑くなるぞ。

ペコ:私なんか、風道見つけて伸びているわ。

おかめ:その点、飼い猫はいいな。俺なんかからだは寝ても耳は寝てられないからな。

ペコ:それは私もね。うちの家には危ないお局猫がいるからね。なんだって、あんなに威張ってるのよ。私よりちょっと前に来ただけなのに。

おかめ:そうなのか。前はどこにいたんだい。

ペコ:このはす向かいの大きな家よ。そこにしばらくいて、それからこの家に引っ越してきたの。是非とも譲ってほしいと今の主人が頼んだのよ。器量よしだから当然だけどね。
でもね、その前はノラだったのよ。良く覚えていないけど、たくさん兄弟姉妹がいて、みんなで、あちこちで鳴いていたらしいのよ。

おかめ:そうだったのか。ペコちゃんがノラだったとはね。それで、ペコちゃんと似た猫があちこちにいるのか。みんな飼い猫になったんだね。実は、俺ももとは飼い猫だったんだ。ほら、首輪をしてるだろ。ところが、飼い主がどこかへ行っちゃってね。
だけど考えようさ。おかげで自由の身になったと思えばね。せっせと、縄張りを回って飯くれるとことねぐらを探さなきゃならないけどね。ここを見つけたのはペコちゃんが教えてくれたおかげさ。ありがとよ。

ペコ:教えた覚えはないけどね。勝手について来たんじゃない。でも最近あまり来ないわね。いいことだけど。

おかめ:いや、最近もっとうまい飯をくれるところを見つけてね。ここの飯はちょっとあきたんだよ。
 まあ、これまで生きてきていろいろあったけど、前のことはほとんど忘れたし、明日の心配はしないし。今日の苦労は今日にて足れり、っていうのは俺たち猫のことさね。人間は何が不満か、いつもむつかしい顔をしてるよ。

ペコ:それはそうね。うちの主人もくよくよしない日はないみたいよ。少しは、私たちを見習ってほしいわね。そのためにわざわざ来てあげたのよ。

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