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2013年04月20日08:10

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ただいま犬と散歩中(昔の新聞の切り抜き)

 今朝は曇り空で寒々としている。今日明日は冬に戻るとのこと、そうそうに引き上げてきた。

 新聞の切り抜きを整理していたら、1977年の朝日歌壇がでてきた。すっかり変色している。このなかの近藤芳美選の1席「いつも若く働く親と思うらし駅のベンチにうずくまるものを」東京、伊藤みや に感動したからだが、この歌そのものより選者評に驚いたのである。「第一首の作品は都会に生きる女の孤独な思いを伝える。朝日歌壇が始まって間もないころ、同じ作者は、汽車とともに走りて我を求めける草むらの中の老いふけし母、という歌を作っていた。家を捨てる歌であったと記憶する。」
 なによりも、選者の記憶力に、さらに時を隔てた二つの歌が呼応していることに驚いた。最初のは親を捨てる歌で、次は、子どもと心が通じないような、あるいは疲れた顔を見せないための無理な気持ちを訴える歌だった。最初の歌が作られた年は正確には分からないのだが、ウィキによれば近藤芳美が選者を始めたのは1955年とのこと、はじめの頃だとのことだからその年に近いとすれば、20年たったことになる。作者は40代になっていたのだろう。

 別の月の近藤選「娘はたち友情を愛を学問を語れば遠きわがいのちみる」堺、岩井久子。これは、与謝野晶子「その子二十櫛にながるる黒髪のおごりの春の美しきかな」を思い出させた。意識してのことだったのだろうが。

 他にも切り抜いていて、同じ作者の歌の内容がドラマのように進んでゆくのに目を見張ったものだったが、みな捨ててしまった。
 そのころ私は30歳を過ぎた頃で、自分で歌を作る気はなく、作れるとも思っていなかった。これらのように、内心を告白するようなことができなかったのだ。むろん、叙景の歌もたくさんあったし、とりわけ動物をモチーフとしているものには魅かれていたのだが。

 で、40代になって、友人が俳句の会にはいっていると聞いて、即物的なものならいけるかも、と思って俳句をつくりだしたのだった。以来、断続的にだが、30年近くになった。
 ★行く春や切り抜きの歌変色し
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