１枚目 バチカン バチカン市国観光ガイドより
全部の修道院と神父を統率している総本山である。この組織力に匹敵する宗教はない。
２枚目 下総の国一の宮・香取神宮 でかじょーブログより
利根川・霞ケ浦下流を挟んで常陸国一の宮・鹿島神宮がある。一の宮とか二宮の番号は新任の国司が参拝する順番をあらわす。二つの「神宮」がすぐそばにあるというのも珍しい。私は、この二つの神宮は地形的に見て、筑波山の門番に位置づけられていると思っている。いわば阿形・吽形の金剛力士である。
３枚目 関宿より筑波山を望む YAⅯAP江戸川ロードブログより
関東平野の真ん中からでもはっきり見える。
写真はネットから
１．日本人の宗教意識 なぜ無宗教だと思うのか？
信仰の制度と内容について他の宗教と比較検討する。
� 峩機廚寮�度。
キリスト教では、ローマ法王と神父の制度が確立している。プロテスタントは、各派あるが、ガリバー型組織と、たくさんの小型組織である。
イスラム教は、スンニー派は統一組織を持っていないが、教義は一つであり、信仰の形態も同じである。
日本の場合、寺の場合、日曜とか金曜日とかの礼拝日というものはない。まして、イスラムのように礼拝時間になれば、何処に居てもひれ伏さねばならないような義務もない。
神社の場合は、秋祭りや春祭りがあって、この場合は町内会が運営を担うことになる。むろん地域にもよるのだが、私の住む地域では町内ごとに全部で10台ほどの山車（上で小学生が笛を吹いている）がでて、神社の範囲を三日間にわたって巡回するのである。
三重県に住んでいた時だが、そこの神社は毎朝６時ごろに太鼓を叩く。祭りの時に行って、集会所に入ったら、壁に軍服を着た青年の写真が掛けてあった。日露戦争から太平洋戦争で戦死した人たちだった。
�⊃�仰の一セットを「教行信証」だとすれば、「教」教えが分かっているか。「行」なんらかの宗教行事に参加しているか。「信」どの程度信じているか。「証」神に守られているという証拠をみたか。この四つに自信がないのだろう。私もだが。
詳しく見れば、「教」では、キリスト教の場合、イエスの名文句の一つや二つは知っている。「地の塩となれ」とか「心に罪なき者がこの女を打て」とか。儒教の場合は、「友あり、遠方より来る」つまり、小説やネットの中で必ず見つかると。「思いて学ばざれば、すなわち危うし」とか。
ところが仏教の場合は、修行の方法か、浄土の美しさを描くばかりで、生活上の悩みに答えないのが特徴になっている。
「行」では、盆と正月が国民的行事で、つづいてクリスマスもある。子供が生まれれば「宮参り」、合格祈願の絵馬とかだが、「教」と結びついているようには見えない。一因として、平安時代以来（あるいは最初の聖徳太子からとの説もある）、神仏混合の教えを明治維新で分離したことにあるのかもしれない。
むろん、真剣に願う場合は、水垢離とかお百度参りなどもあるし、登山もあるだろう。今朝のテレビで、亡くなった妻に会うために、年に一度石鎚山（頂上に神社がある）に登るという父子を紹介していた。
「信」親鸞の場合だと、極楽浄土に迎えてくれる阿弥陀仏やその生まれ変わりの師匠の法然、それに夢に現れて結婚を許してくれた聖徳太子（観音菩薩の生まれ変わり）への感謝の心になる。もっとも、生まれ変わらない（輪廻しない）のが仏や菩薩のはずなので、親鸞は神道的だったに違いない。より一層神道的だったのが日蓮で、この世を浄土にするまで何度も生まれ変わるという。それが法華経の教えで、釈迦もそうなので。村上鬼城「生きかはり死にかはりして打つ田かな」。
「証」は地獄極楽図かもしれない。キリスト教なら、バチカンの天井画にミケランジェロ「最後の審判」が描かれているとのとのこと。Ⅽ・S・ルイス「ナルニア国物語」がそれで終わるので訳が分からなかった。１巻目の奇想天外は面白かったのだが。
��ということで、信者の気分がしないのは、「行」の部分に一つの原因があるのではと思う。代表的な浄土真宗がなみあみだぶつと唱えるだけで良しとする「易行」なので、「行」の気がしないのでないか。
さらに、明治維新で神道と仏教が分離させられたため、「行事」がバラバラになった。それで、日本人は二つの宗教に従って矛盾を感じないかのように言う人がいたが、そうではなく本来一つの宗教だったのだから。神だなと仏壇があるというが、キリスト教会にも十字架のキリストと観音菩薩のようなマリアの性格が極端に違う二神を祀っている。それに、生前のマリアにはイエスの葬儀をしたという以外の業績がない。天使が現れての受胎告知という奇跡があったというなら、ギリシャ・ローマの豊穣の女神の場合と大差はない。
２．記紀神話の構造と氏神の関係
�‘�本神話の一番古い記録は記紀の神代の巻になるが、そこには二重構造になった神話がある。第１に、天地が分かれ、そこに葦芽（あしかび）の神が現れて、最後にイザナギ・イザナミ夫婦神が国土を生んでいく過程が説かれている。丸山真男のいう「なる・生む」物語である。
第２に、アマテラスと子神たちの物語で、孫のニニギが人間となって地上に降りて（誕生して）、神武天皇の祖先となる。つまりアマ族と天皇家の神話である。
�△箸海蹐如▲ぅ競淵�とイザナミが国土を産む時に、当然ながら山も生まれている。オオヤマツミが代表のように書かれていたが、それぞれの山にそれぞれの神が宿っているのである。神武天皇の来た大和には三輪山があり強力な神がいたし、茨城県（常陸の国）には、筑波山があって、関東を代表する神だと祖神が認定してと、常陸風土記に書かれている。
むろん、それぞれの国には、それぞれの神がいるわけだ。
��天つ神の系譜には、天皇家や藤原氏など、天武天皇の朝廷を代表する貴族たちの先祖神が書かれているし、さらに天皇から派生した貴族たちもいる。
一方、国つ神には、各地の山の神がいて氏神となっている。それが各氏族の氏神であり、日本人全員がどこかに属しているはずである。ところが、明治維新によって庶民クラスも大量に移動したために、近所の神社が氏神だとは思えないわけである。私の近所の神社は、京都を本社とする八坂神社系統と、鹿島神宮の系統が多い。本来の氏神が誘致された神に統合されたからだろう。
中央貴族や鎌倉幕府以降は御家人たちも移動したので、当然自分の氏神を連れて行った。神武天皇がアマテラスを連れて行ったように。
��ということで、今となっては、本来の地域住民の氏神を祀る神社は農村部だけだと思うが、日本人は郷に従うわけで、地元の神社の春秋の祭りに参加している。それで、自然に、天皇家の氏神であるアマテラスの伊勢神宮が、日本人の総氏神社となるわけである。
★海風：まとめ
結局は、困った時の神頼みが昔からの信仰のスタイルなのである。
島原市長だった鐘ヶ江管一「普賢、鳴りやまず」は、普賢岳の神の怒りが収まってほしいという祈りのように思える。
古代の大和では、第10代崇神天皇の時に、三輪山の怒りは疫病などで示されて、天照大神の社を大和の外に出し、（元々の神主）大田田根子を探し出して祀らせることによって怒りを鎮めることができた。
考えてみれば、天照の岩戸隠れにしても、いよいよになってから全員が集まって祈ったのであろう。
かっては、生贄や人柱（伝承だが）、殉死もあったわけだし、他の地域のユダヤ・キリスト教以外の地域宗教も同じだろうが、日本では垂仁天皇の時、出雲から呼んだ野見宿禰の助言によって、殉死を埴輪に改めたとのことである。つまり、神道も覚悟のいらない易行化が進んでいた。
それが近代化というものだが、信仰の影が薄くなるのはやむを得ない。キリスト教の場合でも、神は死んだとのことだし。
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