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2015年08月01日19:18

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俳句、短歌、詩の幻想に向かって(3) 「ひらききる百合はまつしろ海炎えゐむ」

 1枚目 燃える精霊舟
 2枚目 夕焼けの入道雲
 3枚目 ダリ 燃えるキリン   いずれもネットから

 鷲谷七菜子「銃身」昭和44年所収の句。
 イメージは鮮明なのだが、白百合と燃える海の関連が難しいところだ。
 白百合の穢れのない白はいいとして、燃える海のイメージは何だろう。ここでは精霊舟と夕焼けを例としてあげたが、本当はそのまま真っ赤に燃えている海があればよかったか。

 言うまでもなく、白百合と燃える海は同一人物の両面性である。そういう意味では、むしろ安井かずみ「わたしの城下町」の「格子戸をくぐりぬけ/見上げる夕焼けの空に・・・好きだともいえずに/歩く川のほとり・・・こころは燃えて行く」に近いのかもしれない。
 ただし、この白百合は開ききっているのだから、デビュー当時の小柳ルミ子ではない・・・と思う。

 ところで、ダリに「燃えるキリン」があった。後景にキリンが燃えていて、前面にピノキオがそのまま大人になって、あちこち支えられながらかろうじて立っている人物像がある。七菜子句とあまり関係がなさそうだが、こちらも同一人物の両面であろう。本来の内面であるキリンが心理的に燃えざるを得なくなった追い詰められた状況のようにみえる。
 

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