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日記一覧

●目的論を再評価 サンデルは、「正義は善と相関しており、それと独立した存在ではない」と考える。その点では、コミュニタリアンと見解が一致する。ただし、見解の違う点がある。その相違点は、サンデルの思想の独自性を示すものである。 サンデルは「正義

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 伊勢志摩サミットが成功裏に行われました。 5月26日世界の主要国の首脳が、伊勢神宮に参拝。日本の首相を中心にして並び、内宮の神殿の前で撮られた映像が世界中に配信されました。この21世紀に、日本を中心として各国が共存共栄する世界が建設されて

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●自由主義への批判 サンデルは、ロールズによって「正義の政治的構想として考えられた自由主義」は、三つの反論にさらされている、と言う。 第一に、「ロールズが訴える『政治的価値観』は大切だとしても、道徳的・宗教的な包括的教説の内部から提起される

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 5月17〜24日にブログとMIXIに連載した安保関連法に関する拙稿を編集し、マイサイトに掲示しました。昨年6月に掲示した拙稿に追加し、その第2部としたものです。■安全保障関連法制の整備と課題取り組みをhttp://www.ab.auone-net.jp/~khosoau/op

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●正義と善の結合 サンデルの連帯の義務は、カントやロールズの正義論のように正義と善を区別するのではなく、正義と善を結合する必要があることを説くものである。 サンデルは、カントやロールズの「負荷なき自己」の概念は、正義と善は切り離すことができ

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●安保関連法廃止運動に惑わされるな わが国の安全保障関連法には、欧米や東南アジア諸国をはじめ世界59カ国が支持や理解を示している。そのことは、安保関連法が他国を侵攻するための戦争法などではないことの証である。中国や北朝鮮が一方的に軍事的緊張

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●連帯の義務 サンデルは、カントやロールズの「負荷なき自己」ではなく、マッキンタイアの「物語る存在」という概念を支持する。その理由は、道徳的責任には三つのカテゴリーがあるが、「負荷なき自己」の概念ではそのうちの一つをまったく説明できないため

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●サンデルは公共善を説く アメリカの政治哲学者マイケル・サンデルは、ハーバード大学の歴史で最も多くの聴講者を集めている教授として知られる。サンデルは、コミュニタリアン(共同体主義者)の一人に数えられるが、サンデル自身は、自分に対するコミュニ

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●平時と有事の中間的事態の対応(続き) 平時と有事の中間的事態には、重要影響事態もある。重要影響事態とは、従来朝鮮半島有事や台湾海峡有事などを想定していた周辺事態の概念を改めたものである。放置すれば日本への直接の武力攻撃に至るおそれがある事

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●コミュニタリアニズムによる自由主義批判 コミュニタリアニズムは、1980年代に、ロールズ、ノージック、ドゥオーキンらを批判する思想として出現した。コニュニタリアニズムは、コミュニティ(共同体)を重視する思想である。コミュニタリアン(共同体

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●はじめに 平成28年(2016)3月29日安全保障関連法が施行された。集団的自衛権の限定的行使が可能になったことなどにより、日米同盟の対中国・対北朝鮮の戦争抑止力は強化され、日本の防衛体制はより強固となった。自衛隊が国際社会の平和と安定に

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●自由至上と平等重視の立場からのロールズ批判 ロールズの正義に関する理論は、英米圏にとどまらず、わが国を含めて世界的に大きな反響を呼んだ。彼の見解をめぐって重要な論争が展開され、哲学・政治学・法学等の多くの分野で幅広い議論が行われてきた。ロ

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●国際的な正義の追求 ロールズの正義論は、原初状態を想定する社会契約説に立つものゆえ、もともと一個の政治社会の成立を説明するために立てられた仮説である。近代西欧で形成された国民国家をモデルとしている。ロールズは、当初自らの正義論の適用範囲を

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 安倍晋三首相は5月6日ロシアを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行った。両首脳は、北方領土問題の解決に向けて、従来のアプローチとは違う「新たな発想」に基づいて交渉することで一致した。問題を「現首脳間で解決する」という方針でも一致した。安倍

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●「重なり合う合意」を求める政治的自由主義 ロールズは、『政治的自由主義』で、自らの政治哲学を「包括的(comprehensive)な自由主義」と区別した。包括的な自由主義とは、カントやヒュームに見られるような「包括的な世界観」に基づく自由主義である。

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 1月18日から5月9日にかけてブログとMIXに連載したイスラームに関する拙稿をまとめて、マイサイトに掲載しました。私は世界の諸宗教はいずれ発展的に解消すべきものと考えますが、そのうち最大の課題がイスラームだろうと思います。これは人類の運命

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●自由で独立した個人と価値中立的な政府 ロールズは、『正義論』で、善に関する特定の考え方に基づく正義の理論は、宗教的なものであれ世俗的なものであれ、自由とは相容れないという考え方を打ち出した。ロールズによると、正義より善を優先する理論は、特

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 最終回。●セム系一神教文明は脱皮すべき時にある 先に書いたピュー・リサーチ・センターの予測では、2050年ころには、イスラーム教徒の人数がキリスト教徒の人数に迫る状態になっている。特にヨーロッパでは、移民政策に大きな変更がない限り、イスラ

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●正義の善に対する優先 ロールズは、正義と善の区別を提唱し、正義の善に対する優先を主張した。正義は社会の基本構造に対応し、善は個人の生き方に対応する。正義と善の関係については、本章の始めに書いたが、近代以前の西欧は、アリストテレスの思想の大

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結びに●イスラーム文明と人類の将来 イスラーム文明は世界で最も人口が増加している地域に広がっている。人口増加とともに、イスラーム教徒の数も増加している。そのため、イスラーム教は、今日の世界で最も信者数が増加している宗教である。世界人口のおよ

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●自由を優先しつつ平等に配慮する正義の原理 ロールズは、原初状態を仮設して思考実験を行った。それを通じて、社会的な正義(justice)の原理を導き出した。正義の第一の原理は平等な自由原理である。平等な自由への権利に関わる原理であり、これには種々

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●インド文明との関係  第2次世界大戦後、インド文明とイスラーム文明の間で緊張が高まったことを、先に書いた。  インドとパキスタンは、分離独立後、カシミールの帰属をめぐり、3次に渡る印パ戦争を行っており、1990年(平成2年)以降、インドのジ

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●議論を巻き起こしたロールズの正義論 ロールズは、1971年刊行の『正義論』において、社会契約説を再構成して、自由で平等な道徳的人格が自分たちの社会の基本構造を定める根本的な決まりごとを合意の上で選択するという仮説を打ち出した。そして、「公

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●東方正教文明との関係 イスラーム文明と東方正教文明の関係について書くには、まずロシアの歴史を概述する必要がある。 ロシアでは、9世紀から東スラブ人がキエフ大公国を中心に、いくつかの公国を形成した。10世紀の末にキエフ・ロシアのウラジーミル

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●第2次大戦後の世界と現代の正義論 第2次世界大戦後の世界は、「連合国=国際連合」の文書及び国際軍事裁判の判決を、国際的な正義とする世界である。戦後間もなく、大戦中は連合国として共に戦った米ソが二大超大国として対峙する構図が生まれた。ソ連に

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