篠有紀子が「神さま」ものを描いたということで、一瞬「あっちの世界」へ行ったのではないかと心配したが杞憂だった。「神さま」ものというよりは、神社を舞台にした正統派職場コメディである。最終巻のこの巻では、篠有紀子独特のたどたどしい恋話や、物語の
1巻を読んだときにまず思ったのは、「イブの眠り」というからには「イブ=アリサ」が眠っているということなんだろう。そして、アリサが「眠っている」というからには、「起きれば」すごいということなんだろう、ということだった。さらに、明らかに「夜叉」
いきなり、いろいろな種明かしがされ始めたような。でも、読み返してみると、実はバルバラの世界についてはずっとまっすぐに語られていた。要は、読む側がメッセージをつなげなかったに過ぎない。2時間ドラマの10時過ぎのような解説ページがあっても、登場人
「ワンダフルライフ」以来、ほぼ6年間ほど「漫画家を休憩」していて、どうしているんだろうと少し心配していた清原なつのの新作です。あとがきによると、「千利休のまんがを書いてみませんか?」と言われたのが1998年の秋ということですから、右手を痛めて漫
要は、「ほめ言葉」をほめている本である。1ネタ2ページで、9章各10ネタの計90ネタ。数が90と半端なのは、本当は自分の書いたほめ言葉の章も作ろうとしたが、わざとらしくなってやめたのだそうだ。そんなことも、わざわざ「あとがき」に書いてある。
今年の大河ドラマ「新選組!」をかなり思いいれて見ている。ヤクザ映画のような新選組を期待していた向きには評判が悪いようだが、幕末という時代に振り回された実直な若者の青春群像という描き方がそれこそ新鮮で、心地よいものであった。しかも、作者は集団
ヤクザの組長の家に生まれ、日本共産党のゲバルト隊長だった「キツネ目の突破者」宮崎学。生長の家の右翼学生運動に入ったものの既成右翼とは一線を画した活動を行う「脱・右翼」一水会代表鈴木邦男。両者の対論をまとめた一冊である。年代も近く、左翼学生に
川原泉の「ブレーメンII」の最終巻を読みました。「ブレーメン」というと、つい佐々木淳子を思い出してしまうのですが、川原版「ブレーメン」は、バイオテクノロジーによって知性を獲得した動物たちのこと。彼らを乗組員として活躍するスペオペ話なのですが、
「マンガ好きの方々には、君たちはそれとは知らずにじつは哲学に興味をもっていたのだよ」「哲学好きの方々には、その問題ははるかにポピュラーな形でもうマンガに表現されているのだよ」著者は、まえがきでこう言っている。ところが、マンガを使って考察する
河口俊彦といえば、将棋ファンには将棋世界誌の「対局日誌」で知られる棋士兼将棋ライターである。「小説新潮」に掲載ということなので将棋ファン以外にもわかるように書かれているが、棋士であるからこそ、盤側にいるからこそ見えてくる様々な棋士の素顔が垣
岡田が続くのは、単なるめぐりあわせ。ただし、「SPA」での連載当時から気にはなっていた。とはいうものの、古本屋でしか買いたくない代物。でも、単なる血液型占いなどと比べるとずいぶん興味を引く。まず、人間の行動パターンを「王様」「軍人」「学者」
千秋とのだめが二人してパリにて行っちゃって、みんな変にレベル高いし、千秋は指揮者コンクールで必死だし、「のだめ」もとうとう普通のクラシックヒーロー漫画になっちゃったかと思ったけど、でも、やはり「のだめ」は「のだめ」だった。フランス語を勉強し
岡田斗司夫が東京大学でやったマルチメディア・ゼミのうち、「オタク文化論」と称して講義やらゲストとのトークを繰り広げた1995年度のものを編集。内容はそれなりに多彩なのだけれど、それよりも氷川竜介を始め、唐沢俊一、村上隆というゲストが「BSアニメ