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日記一覧

夏の陣を前に、家康が阿茶に言った「これが最後かもしれぬ」が不思議でした。すでに堀もなく、「乱世の亡霊」が巣くう大坂方は簡単に潰れるはずなのに。しかし、(「真田丸」なら名場面の)真田に追い詰められるという不都合な真実を、あえて描いたことで謎が解

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続いて「夏の陣」だろうという適当な予測を大きく覆し、子役時代の市と家康の初恋話にまでさかのぼる「ラスボス茶々ができるまで」の大きな仕掛けを提示してきました。短編連作の印象が強かった本作に、しっかりと物語の芯が一本通ったような気がします。この

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サブタイトルに「お猫さまズ暮らし。」とあり、3匹の「お猫さまズ」亡き後のわかつきめぐみの猫暮らし生活が描かれる。一応、「寝待月ひるね」設定は残っているようだが、忘れてしまいそうになるほどに、ほぼエッセイマンガだ。お猫さまズの喪失感に打ちひし

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どんどん人が少なくなった分、人物描写に工夫をしてきたように感じました。あるいは、事実としての大坂の陣は動かしがたいので、すでに十分に個性的になっている茶々に加え、家康、秀忠、秀頼の描写に独特の味付けをすることで新味を出してきました。前回、家

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二条城の会見から方広寺鐘銘事件まで、大人になった秀頼が家康と対峙していく姿が独自の解釈で描かれました。なかなかに魅力的な秀頼ではあったのですが、野心のかたまりの茶々が控えているせいで、かえって見えにくいところもありました。公家として豊臣を敬

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雑誌「O.tone」の好評長期連載の「古地図と歩く 札幌圏」の第2弾が発刊された。雑誌の別冊扱いだったこともあって第1弾も各書店で平積みだったが、第2弾も平積みから見る見るうちに売れていった。北海道にアイヌ民族が先住していたことを忘れてはならない

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家康の人生の中で華々しいものであるはずの江戸幕府の開闢が描かれたにもかかわらず、どうもうら寂しさばかりを感じさせた回でした。戦なき新しき世についてはアダムスの報告など最小限にとどめられ、どちらかというと、老いた忠勝と康政ばかりが描かれていま

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紫堂恭子に対しては、クサレ縁のような愛着がある。毎回、魅惑的な異世界を構築し、現実社会にも通じるような問題を提起しながら、人としてどう生きるべきかについて語り、それなりの結論に導いてくれる。もっと語ってくれよと思うところもあるのだが、新作が

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過去作に出汁がらになるまでしゃぶりつくされた関ヶ原の戦いにもかかわらず、いろいろと新味を出してきました。なるほどなあと思うものもあり、ちょっと無理してませんかと思うものもあり。カギは「ラスボスの茶々」と瀬名の夢だった「戦なき世」にあるようで

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アイナ・ジ・エンドの歌はすごいという噂は聞いていた。流れてきた歌に耳をそばだてて、やっぱりすごいと感じたこともある。そんなアイナ・ジ・エンドを主役に、歌でしか「声」を出せない路上シンガーの映画を、岩井俊二が撮ったとなれば、見ないわけにはいか

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語りつくされた家康であり、語りつくされた関ヶ原だからこそ、新しい解釈や新しい見せ方が求められるとしたものです。大事なことなので3回かけて描きますの今作のルール通り、他の作品ではあまり描かれることのない前日譚をたっぷり描いてきました。大坂城に

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みんなが知ってる関ヶ原なのに、視点を家康に置くことで、あるいは幼少期からの家康を描いてきたことで、解像度の高い場所が変わるのがドラマの醍醐味です。(その白眉は、主要な人物が誰も見ていないので、忍びからの報告で終わった「真田丸」でしょう。)まず

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今回、三成が見事なまでに転落していきました。もともと頑なである上に、自分を拾ってくれた秀吉を絶対視するあまり、秀吉の体現者としての自分を正しいと確信しているせいで周囲から孤立し、清正、正則ら武闘派がなぜ怒っているのかさえ理解できていません。

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今回、次週予告で示された二つの謎がありました。一つは、敵役の秀吉とはいえ天下人のことを「くたばる」と言ったのは誰かです。「神の君」ほ連呼する寺島しのぶなら言いかねないという説もありましたが、秀吉本人の言葉とわかり、むしろ納得です。そこには、

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「唐入り」という副題とは裏腹に、戦況については三成・吉継の公式の報告と半蔵の非公式な報告にとどめ、浅野長政の一言が秀吉政権内部の揺らぎを示唆しているものの、むしろ、茶々や大政所、義昭まで登場させて、秀吉の内面に切り込んでいきました。茶々は、

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男装の阿茶には驚きました。側室とはいえ、色恋の対象からは遠い盟友に近い関係ということでしょうか。いろいろ考えてくるものです。しかし、いきなり参謀格で正信に並ぶ最側近になっているのは、紹介するための時間が足りないとはいえ唐突感がありました。ま

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「ROCA」の本編で描かれなかったエピソードを集めた作品集が出た。「ROCA 吉川ロカストーリーライブ」同様「(笑)いしい商店」発行の私家版だ。すべて「ROCA」後に描かれた新作という。続編ではないので、時計は高校生のロカが歌手を志すところに戻る。大きな

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まずは、茶々でしょう。美人でも強い系統の北川景子は「誰もが憧れる市」よりも茶々が適役と思っていたので、今回の配役にはさほどの驚きはありません。(今朝の「らんまん」の方が驚きました。)それにしても、権力をおもちゃにしかねない厄介な人物に思い切り

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家康の上洛、秀吉への臣従という歴史の大きな動きが描かれたにもかかわらず、高畑淳子の大政所がすべて持って行った感がありました。なにより、旭よりもはっきりと秀吉に負けないほどのモシャモシャ天然パーマで、その強い遺伝子を感じさせただけでツカミはOK

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ともすれば「三月のライオン」というと(この巻での島田八段がそうであるように)、人間の業を引きずりつつ努力の末に現在の地位までたどりついたプロ棋士列伝とも、将棋という魔に魅入られ、たとえ人として大切なものを失ってでも、将棋に特化した魔改造を自ら

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実は、10巻でネロが亡くなってから12巻でプリニウスが亡くなるまで、11年もの時間が経過している。ネロの在位自体わずか14年なので、10巻かけて描かれていたのとそう変わらない年数が、描かれないまま経過したわけだ。その空白を埋めるとともに、読者に時間経

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大河ドラマのキモは、史実の枠組みの中で、どれだけオリジナリティのある創作、もしくは新しい嘘を上手につくかにあります。弱虫の家康に守役の数正が頭を抱えることから始まった今作は、家康の成長ぶりとともに、数正を特別な存在として描くことが新味の一つ

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美術館へ行ってキャプションと解説文ばかりをじっくり読んで、肝心の作品についてはチラッと見るだけで通り過ぎていることに気づくことがある。あるいは、美術作品に内包する物語性が、作品の評価を高めるものなのか余計な不純物なのかという議論がある。美術

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数正出奔に焦点を絞り、じっくり見せてもらった回でした。最終的に数正が秀吉の元に走ることは皆が知っているという前提で、そこに至るまでの理由と過程を丁寧に、もしくは追い詰めていくように重ねてきました。そうか、これなら数正も出奔する、と。まず、秀

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本書は、水野英子の呼びかけで、1999年から2000年にかけて4回開催された座談会「少女マンガを語る会」の記録である。第1回での水野のあいさつに「初期の少女マンガに関する記録を、当事者として何がしかの形で残しておきたい」「当時の作品が今ではなかなか

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今回は、「小牧・長久手」が家康にとっての特別な戦いだったと、さらに高々と持ち上げてきました。義元に学び、信長に鍛えられ、信玄から兵法を学び取った家康は、もはや無敵です。徳川四天王を始めとする家臣にも恵まれたと高らかに宣言します。ドラマは、こ

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このところ秀吉サイドから描かれる「小牧・長久手の戦い」を見ることが多く、結果が秀吉側の負けに近い引き分けということもあって、不都合な真実としてウヤムヤのうちに軽く扱われることが多かったのですが、家康視点の今作は、思い切り盛り上げてきました。

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英雄物語の本領は、いかに英雄たちの意志が歴史を動かしたかにあります。なので、なぜ「殺してくれ/殺せ」なかったかと「嘆く信長/悔やむ家康」と、光秀の首に悪態をつく秀吉が居る一方で英雄の器にない光秀がないがしろにされる本能寺の変が描かれました。今

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今回も、詳細はよくわかってないにしても、みんなが知っているし、近作でもいろいろな見せ方をしてきた「伊賀越え」だけに、どう描いてくるのかが注目でした。ただ、私的には少々散漫になったかという印象です。暑さで頭が沸騰しているせいかもしれません。今

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前回、討伐宣言をしたものの、信長の「なら、やればいい」と「オレの側にいろ」の間で逡巡している家康です。忠次らの説得もあり堺で力をためることになり史実に合流してホッとした矢先、唐突に市が登場して驚かされました。さすが、英雄の言葉が物語を動かす

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