天狗太郎の名で将棋観戦記を書いていた山本亨介の昭和47年の本。
先に「将棋文化史」という本があったらしく、
「庶民史」とあるが「文学に見る将棋表現」という方が正しそうだ。
「入玉」のことを「逆馬(さかうま)」と言っていたり、
「と金」のことを「と歩」と書いて、「キンフ」と読ませるというような情報があったりで面白い。
たしかに、「と金」の「と」は金の草書体だから、「と金」では「金金」になってしまう。
「と歩」で「キンフ」と読ませるほうが本来だ。
後世、「と」が「金」の意味から離れることで、「と歩」が「と金」に変化したのも納得できる。
後半には、「回り将棋」や「挟み将棋」などの紹介もある。
楽しいと言えば楽しいが、買って読むまでの本ではなかった。残念。
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