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2007年10月23日22:39

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ロートレック展を見る

サントリーミュージアムの「ロートレック展」を見ました。

単に「ロートレック展」というよりも、
「ロートレックとムーランルージュの時代」という印象です。
と言っても、看板に偽りありと言うのではありません。

ロートレック作品を補足するように、
ムーランルージュに代表されるダンスホールの資料が多く、
ロートレックがダンスホールの何に魅かれ、
何を描こうとしたのかが感じられる展覧会だったのでした。

ダンスホールにうごめく、客、踊り子、歌手、芸人たちの姿というのは、
おそらく美術作品として描かれるのにふさわしいとは思われていなかったのでしょう。
しかし、スポットライトをあたった彼らの一瞬の輝きをロートレックは発見し、
同時に、その後ろ姿に人生の真実を見ました。

だからでしょうか。
ロートレックはダンスホールの出演者たちに愛されました。
どう見ても悪意を込めているとしか思えないデフォルメを加えた作品も、
彼らは、自分のポスターとしてダンスホールに貼らせました。

そんな光と陰を画面の中に同時に押し込めたようなダンスホールのポスターは、
思いのほか大きなものでした。(4枚ほどの全紙を組み合わせているようです。)

その後、ロートレックは20代後半から30代前半にかけての輝かしい時代を過ぎると、
アルコール依存性と梅毒に倒れ、あっさり帰らぬ人となってしまうのでした。

そんなわけで、ムーランルージュの後のロートレックの展開
というような話はまったくないまま、
ロートレック展は幕を閉じざるをえませんでした。
それゆえ、ロートレックだけの展覧会というよりも、
ロートレックが輝いていた時代のパリ、
そんな時代がムーランルージュとともにあったのだ、
と感じさせる展覧会だったのでありました。
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