まず、軽い。自分勝手でエラソウな不死鳥が軽い。
手塚治虫の時代から不死鳥とはそんなものだが、こんなに軽くはなかった。
このキャラは、「癒しの葉」のアジンの流れだ。
しかも、限りなくドタバタに流れつつも、
単なる異界の者に巻き込まれるファンタジーや主人公の成長物語に終わらせない。
つい、その外側にある社会的なものへの目配りが効いてしまい、
深い人権感覚を持っている人物を当たり前の人として登場させたり、
政治が作り出す人と人とをへだてるやっかいなもののことを忘れない。
それがイヤミにならず、そんな世界の物語なのだと思わせてしまうところが、
紫堂恭子の技量である。
今後の展開を見守りたい。
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