１枚目 風見章（左から２人目）。尾崎秀実（左から３人目） 昭和12年
２枚目 グラムシ 京都ドーナツクラブのブログ
３枚目 マッカーシー ウィキより すっかり悪役にされた。
著者
茂木 誠は、明治大学文学部（日本史専攻）卒業。ノンフィクション作家、予備校講師、歴史系ユーチューバー
朝香 豊は、1964年生、早稲田大学法学部卒。経済評論家。学生時代は共産党の学生組織民青会員で党員にもなったとのこと。社会へ出て脱退したとのこと。
１．リバラルが見なかった革命の真実
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フランス革命が倒したブルボン王朝よりも、ボリシェビキが倒した帝政ロシアよりも、革命後の権力の方がずっと恐怖政治だった。
（実際、戦前の社会主義シンパたちは、ルソーおじさんと呼んでいたとのこと。無論、父はマルクス）
��同じく、戦前は暗黒時代だったというのも嘘である
企画院事件で逮捕された和田博雄（戦後社会党書記長）は、戦後農林大臣として農地改革を実行した。
その結果、小作争議のなくなった農村は保守化し、自民党政権の地盤となったのだが。
➂尾崎秀実（ほつみ）は、朝日新聞記者で近衛文麿の側近だった。
ソ連のスパイとして検挙され、ゾルゲと一緒に処刑されたが、尾崎は氷山の一角にすぎなかった。尾崎を近衛首相に推薦した書紀官長（今の官房長官）の風見章自身が社会主義者で、戦後は社会党創設にかかわった。
戦前の朝日新聞は戦争を煽ったが、それは敗戦革命を意図したものだった。
（尾崎の家族への手紙「愛情は降る星の如く」岩波文庫はベストセラーになった）
�て韻犬�、ルーズベルト声援にも社会主義者の側近が多数いて、日米戦争へと導いていた。帝国主義間の戦争によって疲弊し混乱した国には、革命（負けた国は敗戦革命）が起こしやすい。当時のアメリカの実態については暗合の米公文書（ヴェノナ文書）の解読が進められている。
（で、原爆スパイ事件も起きた（犯人の科学者夫婦は死刑だった）し、ハリウッドの共産主義者を尋問したマッカーシー議員の非米活動委員会だったが、マッカーシーがピエロ扱いされることになった。日本占領にも社会主義者がいて、日本国憲法にもかかわったらしい）
２．元共産党員が語るマルクスの間違い
�ー�由主義の「効用価値説」とマルクスの「労働価値説」
手作りの製品の価値は「効用価値」で、機械で短時間で作る製品は労働価値。つまり、機械で作ったものより手作りの方が価値があるというのは、手作りに効用価値を認めるからである。
（購入した製品を利用するだけでなく、美的価値を楽しむこともある。手作りには芸術的な価値もあるはず。）
�▲泪襯�スに惹かれた理由は「疎外論」だった。流れ作業の工場労働者は、自分の仕事の全容が分からない。つまり自分の仕事から「疎外」されている。
しかし、資本主義がロボット化などによって疎外を解消し始めた。
（チャップリン「モダンタイムス」で有名になったが、自分のラインの仕事の出来不出来は欠陥品の数で分かる。そのための品質管理を技師でなく、労働者自身がするのが日本的管理法だった。）
➂逆に、社会主義経済が破綻しだした。
国鉄は民営化されたことで、駅の利用も進んだ。
（ソ連の国民は、国産品でなく外国の製品を評価していた。例えば、お土産には日本の手ぬぐいを頼むとか。国鉄時代に手荷物を持って行って、職員に怒鳴られたことがある。縛り方が緩いというのだが、その本人はくわえタバコだった。労組が強すぎて職員教育ができなかったのだろう。）
３．世界を覆うフランクフルト学派＝隠れマルクス主義者
�．ぅ織螢�共産主義思想家のアントニオ・グラムシによる文化政策
マルクス主義の基本の下部構造が上部構造を決定するという理論は間違いである。実際は、マルクスの発想（思想＝上部構造）から世界が変わり始めた。この点、グラムシはルソーの「一般意思」を引き継いだとみられる。
資本主義という経済制度を変えるためには、知的（文化的）・道徳的なパワー（ヘゲモニー）を支配下に置くべきである。そのために教育とマス・メディアを掌握する。
（日本では、特に官公労の組合はマルクス主義で、社会主義を目指すとしている。かっては、イタリア共産党のことを修正主義と非難していた。
戦闘的な組合分会を訪ねた時だったが、意外にも穏健なことを言うので、以前と違うじゃないかと返したら、「そうだ。社会党が政権に加わった時、我々も首相官邸に出入りできた。労使対決でなく、協力して政権を目指したい」とのことだった。）
�▲悒殴皀法爾魄�るための文化的政策
イタリアの政治学者アントニオ・グラムシによれば、「ヘゲモニー」とは支配集団による知的、道徳的、政治的な指導権を意味する。文化の主導権を握ることで、国民の支持を得て最終的に選挙によって多数党になることを目指す。
労働者は窮乏化せず豊かになったわけで、賃上げだけでは国民の支持は得られない、とみる。
➂アメリカ共産党の方針
「アメリカを共産化させる４５の施策」
➂番目に、非武装化することが倫理的に強靭であることを信じさせる。とあって、これが日本の戦後憲法に適用されたとのこと。
��番、国連だけが人類の希望であるという考え方を拡散する。国連軍を創設する。
��国家への忠誠を誓うセレモニーを廃止する。
�哀▲瓮螢�人の基本的な慣習に従った行動を市民権の侵害だと主張する。その根拠に裁判所の判例を使う。
�蔚軌薺ヾ悗鬟灰鵐肇蹇璽襪垢襦３惺擦鮖箸�って社会主義思想を教える。
その他、いろいろなマスコミ関係を支配する。
㉞番、米下院の非米活動委員会をなくす。
（非米委員会の件があるので、戦後すぐの方針だったのだろう。グラムシの影響を受けたような内容。日本共産党も、科学者を組織した日本科学者会議をもっている。これを足場にして日本学術会議も支配下に置いているのだろう。一般の学者は面倒なことにはかかわらないので、少数でも執行部を握って、政権への反対声明を出す。で、３人ほどが政府から任命を拒否されて、目下にらみ合い中らしい。学術会議を支配できれば、大規模な「科研費」を取りやすくなるという具体的なメリットがある。）
★海風：まとめ
私海風もマルクスの疎外論にイカレタ方だった。私の場合は、マルクスの解説書や評論家らの知識だったが、元の「経哲草稿」にはまった友人もいて、どういう分けか定職につかずに終わった。働くことは搾取されることだと思い込んだのかも？
ヘゲモニーの言葉は知っていたが、文化政策だったとは知らなかった。昔の「歌声喫茶」もその一環だったのに違いない。むろん、昔人気のあったイタリアリアリズム映画のヴィットリオ・デシーカは「自転車泥棒」で有名だが、調べてみると「ひまわり」（ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤンニ）もそうだった。今問題のウクライナが舞台だった。確かこの映画だと思うが、イタリア映画を代表する二人だが、ギャラはローレンがずっと上だった。それを記者から指摘されたマストロヤンニは、あのおっぱいに勝てるわけがないと答えたとのこと。
で、ヘゲモニーは左翼が握っているようだが、国政の総選挙では保守政権が続いている。で、ヘゲモニーが「反知性主義」なる用語を作ったのでなかろうか？
しかし、今時の青年はリアリストなので、今の経済状況に満足したり、代替策がないと考えているのだと思う。だから、ヘゲモニーの提供する「理想論」に食いつかないのである。そもそも読まないし、テレビも見ないに違いない。
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