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2019年11月04日11:13

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いだてん第41回「おれについてこい!」を見る

今回は、大松監督役の徳井義実の件で注目されました。

冒頭、「編集などで、できるだけ配慮して放送」とのエクスキューズがあり、
再編集が行われた上での1分短縮の番組として放映されました。
そして、再編集された「第41回 おれについてこい!」は、
大松監督の存在を消すどころか、物語の新しい流れを作る大活躍をしていました。

まずは、直近まで再編集を行ったであろうスタッフの苦労と、
「物語の流れを損なわない程度」という条件を橋頭保として、
本当に流れを損なわない再編集を行ってくれたことにファンの一人として感謝します。

一方、ここまでしっかりと大松監督を登場させるのであれば、
再編集の必要すらなかったのではないかと、正直なところ感じました。
少なくとも、私は徳井義実の出演に違和感はありませんでした。
今後、このような再編集がないことを願うばかりです。

また、実はちょっと心配していた徳井の演技もなかなか達者で、
パワハラ・セクハラ・人情味も含めて、大松監督らしい熱いものでした。
瞬発的には丁寧で器用なのに、持続的には「想像を絶するだらしなさ」なんでしょうか。

さて、戦後になっても、いだてんの世界は戦争の影を引きずっています。
岩ちんは、戦中、ボートによる特攻を研究し、自分が一番と決めていたと言います。
ローマ五輪でアベベがゴールしたのは、故国エチオピア侵攻の出発点だった凱旋門です。
大松監督もまた、ほとんどの日本兵が戦死した愚策・インパール作戦の生き残りでした。
1959年に生きている大人たちは、誰もが自分だけの特別な戦争の記憶を持っているのでしょう。

それでも、新しい平和な日本を世界にアピールするオリンピックに向けて、
帝国ホテル料理長・村上信夫、グラフィックデザイナー・亀倉雄策、
映画監督・黒澤明、建築家・丹下健三などの文化人が、続々と集まってきます。

「共産主義、資本主義、先進国、途上国、白人、黒人、黄色人種、
ぐっちゃぐちゃにまじりあってさ、純粋にスポーツだけで勝負するんだ。
終わったら、選手村でたたえあうんだよ。」
この田畑の理想は、まったくもって正しいものです。

とはいえ、正しいのだから、理想なのだからと、
選手ファーストな選手村のために代々木の米軍施設の返還にこだわり続け、
画期的な記録映画を作るならば金はいくらでも使ってよいと言い切る田畑ですが、
予算はいくらでもほしい、アメリカの意向は知ったこっちゃないというのでは、
悪役面の政治家・川島正次郎でなくとも、いかがなものかというところです。

ところで、「国民のためのオリンピック」の精神が2020年にも通じるとすれば、
泥棒とか、マラソン・競歩を返上せよなどと言われる札幌市は、
本当に国民の中に入ってるんでしょうかねえ。
 
というわけで、今回の秀逸は、
号砲、着水音から最終章を象徴するバレーボールの打撃音に代わったオープニングでも、
可児先生以来の伝統を守ったイタリア帰りの岩ちんのイタリアかぶれでも、
巧妙に会社名が手で隠された亀倉雄策デザインの明治チョコレートでも、
諸事情で回想シーンもあったけれど、(声)だけになってもまだまだ続く、
治五郎先生の香盤のトメでもありません。

今回は、これ。
第1回に登場した時には時空を超えた幻とも思えた東京の街を足袋で走るランナーが、
実は、聖火ランナーへの意欲を燃やすために上京していた金栗四三68歳だったという、
とんでもない伏線のロングパス。
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