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2019年03月17日13:18

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「プリンセスメゾン」第6巻を読む

居酒屋じんちゃんのチーフで、マンションを購入して晴れてモチイエ女子となった
沼ちゃんこと沼越幸とその周囲の人々をめぐる物語もついに最終巻である。

まず登場するのは、伊達さんの老母と二人の姉だ。
姉たちはなかなかクセ者で、伊達さんが堅実で几帳面な性格になったのも理解できる。
母たちのために、もう一度住宅ローンを組んでもいいと思うほどに。

郷里で見合いをした要さんは、
久しぶりの異性との出会いに、もどかしいほどにときめいている。
まだ結婚が決まったわけではないのだけれど、
一人で東京で暮らすことにこだわり続けてきた(派遣でワンルームの)生活を清算し、
他者と生活する生活の準備をするために実家に戻ることを決める。

頼りにしていた要さんの告白に一度は放心状態になる亜久津さんだが、
一人立ちせねばといろいろやる気を出して出勤時間も早くなった。
伊達さんは沼ちゃんのような単身女性へのマンション販売の可能性を感じて、
「女性のマンション購入をサポートする会」を取材するようになった。

沼ちゃんもキッチンの3つりコンロを使って、料理をする回数も増えた。
「こんなにちゃんと料理するようになったの、引っ越してから。
 ほんとは前の家でだってできたのに。…… ありがとう私のお家。」

一人ひとりが少しずつ以前の自分を脱皮し、新しい生活を始めようとしている。
そんな少しだけだけれど幸せな物語。

蛇足ながら、以前から実は抜群に絵が上手いと思っていたのだが、
各話の最終ページあたりに置かれている一枚絵に印象的なものが多かった。
p82の沼ちゃんを見舞った要さんが一人駅のホームに立つ場面のつげ義春感とか、
p184・185の要さんと沼ちゃんの東京駅での別れとか。(どっちも、駅だな。)

次の連載も、楽しみだ。
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