諸事情につき、出遅れ。
もしかすると勝てたのかもしれない戦いを和睦し、
もし踏み出せば必ず負けるであろう戦いに、あえて踏み出そうとしている豊臣方です。
もはや、城を頼りに戦えない。野戦なら、多勢に無勢は明らか。
当初の策のように近畿を押えても、城が丸裸の豊臣方に寝返る者はいません。
それゆえ、狙うは家康の首一つ。
それで時代が変わらないことがわかっていても、それしかできそうなことがないのでした。
というわけで、佐助登場。
「もし無事に帰ってきたら、夫婦になってもらえませんか」は、ほぼ死亡フラグ。
佐助の命を救ったのは、きりの明確な拒絶だったのかもしれません。
そして、あまりにも見事に家康を仕留めた佐助ですが、
史実の都合とか、つまらない大人の事情で、実は影武者だったことになってしまいます。
しかし、ここまできれいにやってくれたならば、
もう、半分くらいは、歴史が変わってしまったことにしていいんじゃないか、とさえ思います。
とはいえ、ここからの源次郎の動きが不可解です。
秀頼に大坂を離れるように勧め、四国領有で納得させます。
となると、土佐を求めていた盛親はというと、淡路島で話をつけます。
これは何のため?「私はまだ、あきらめてはおりませぬ」
本気か?
しかし、信之へあてた手紙の淡白で儀礼的な書きぶりと娘を思いやる言葉からは、
かえって、源次郎が死を覚悟していたことを明確に示していたようです。
でも、それをすぐに察する信之は、やはり言わずとも心が通じ合う兄弟なのでしょう。
そして、窮するほどに、大坂城はもめ事が増えます。
母・大蔵卿局を面罵する治長、治長を襲う弟・治房、
治房が金蔵を勝手に開けたことをきっかけに、ついに牢人たちの統制が取れなくなります。
源次郎ら5人衆の力でも牢人たちを抑え込むことができません。
アニキが一喝、「みんな、戦がしてえんだよ。」
また一歩、みんなで力を合わせて滅びの道を進んでいきます。
というわけで、今日の秀逸は、
「う」の署名の有楽斎の密書とは異なる、家康襲撃を知らせた密書の「お」の署名でも、
顔についた泥が労働の証とばかりに、自ら顔ら泥を塗ったお嬢様育ちの春のプライドでもなく、
「敵の本陣になど」と口にした瞬間に源次郎の真意を悟った小山田茂誠の顔の曇り。
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